お問い合わせ 受付時間 10:00〜17:30( 無休 ※年末年始除く)
介護ベッドや車いす、手すり、ポータブルトイレ。介護保険では、こうした福祉用具を1割負担で借りたり、買ったりできます。借りるものと買うものは種類で分かれていて、お金の払い方も違います。この記事では、国の統計から出した種目ごとの1か月のレンタル料と、要支援・要介護1の方が原則借りられないもの、買うときの申請の流れまでをご説明します。

この記事の要点
目次
介護保険で使える福祉用具は、借りる(福祉用具貸与)と買う(特定福祉用具販売)の2つに分かれます※2。どちらになるかはご家族が選ぶのではなく、用具の種類で決まっています。
分け方の考え方は単純です。介護ベッドや車いすのように、状態が変われば合うものも変わる用具は借りて、合わなくなったら取り替える。ポータブルトイレや入浴用のいすのように、肌に直接ふれて、ほかの方に貸し回しにくい用具は買う、という分け方です。
図1介護保険の福祉用具は、借りるものと買うものに分かれます
介護保険の福祉用具
借りる(13種目)
毎月のレンタル料の1〜3割を払います。状態が変わったら取り替えられます。
買う(9種目)
いったん全額を払い、申請すると7〜9割が戻ります。1年に10万円までです。
※種目の名前と範囲は、厚生労働大臣が定める種目によります。細かな条件は本文の表をご覧ください。
※表は横にスクロールできます
| 借りる(貸与) | 買う(購入) | |
|---|---|---|
| 払い方 | 毎月のレンタル料の1〜3割 | いったん全額を払い、申請して7〜9割が戻る |
| 上限 | 1か月の支給限度額の中 | 年10万円(4月から翌年3月) |
| 合わなくなったら | 取り替えられる | 同じ種目は原則1回まで |
| 高額介護サービス費 | 計算に入る | 計算に入らない |
ケアプランを使って自宅で暮らしている要介護の方のうち、福祉用具を借りている方は約72%にのぼります※1。在宅介護で、もっとも多くの方が使っているサービスの1つです。1か月の自己負担が上限を超えたときに戻る高額介護サービス費には、レンタルの自己負担は入りますが、購入費は入りません。
介護保険で借りられるのは、次の13種目です※2。★の種目は、要支援1・2と要介護1の方は原則として借りられません(くわしくは後ほど)。
※表は横にスクロールできます
| 種目 | どんなものか |
|---|---|
| 車いす★ | 自分でこぐもの、介助する方が押すもの、電動のもの |
| 車いす付属品★ | クッションや電動の補助装置など、車いすと一緒に使うもの |
| 介護ベッド★ | 背や脚の角度、床板の高さを変えられるベッド(特殊寝台) |
| ベッドの付属品★ | マットレス、サイドレール、ベッド用の手すり、テーブルなど |
| 床ずれ防止用具★ | 空気やウォーターで体圧を分散するマット |
| 体位変換器★ | 体の下に入れて、体の向きを変えやすくする空気パッドなど(姿勢を保つだけのものは対象外) |
| 手すり | 床に置く、天井と床で突っ張るなど、工事をしない手すり |
| スロープ | 段差に置く、工事をしないスロープ |
| 歩行器 | 車輪のついた歩行車も含みます |
| 歩行補助つえ | 多点杖、ロフストランド・クラッチ、松葉づえなど(一本杖は対象外) |
| 徘徊感知機器★ | ベッドや玄関から離れたことを、ご家族に知らせるセンサー |
| 移動用リフト★ | ベッドから車いすへの移動などで、体をつり上げて支えるリフト(つり具は買うほう) |
| 自動排泄処理装置★ | 尿や便を自動で吸い取る装置(尿だけを吸い取るものを除き、要介護4・5の方が対象) |
※徘徊感知機器の正式な名前は「認知症老人徘徊感知機器」、介護ベッドは「特殊寝台」です。
工事をして壁に取り付ける手すりや、段差をなくす工事は、福祉用具ではなく介護保険の住宅改修(20万円まで)の対象です。置き型の手すりを借りるか、工事をして付けるかで迷われたら、両方を並べてケアマネジャーにご相談ください。

レンタル料は事業所ごとに決まっていて、全国一律の料金表はありません。そこで、厚生労働省の統計(介護給付費等実態統計)から、実際に全国で借りられている用具の1か月あたりの平均を種目ごとに出しました※1。
※表は横にスクロールできます
| 種目 | 1か月 (全額) | 自己負担 1割 |
|---|---|---|
| 介護ベッド(特殊寝台) | 約8,700円 | 約870円 |
| ベッドの付属品(1点) | 約1,310円 | 約131円 |
| 車いす | 約7,370円 | 約737円 |
| 車いすの付属品 | 約1,970円 | 約197円 |
| 床ずれ防止用具 | 約7,180円 | 約718円 |
| 体位変換器 | 約3,640円 | 約364円 |
| 手すり | 約3,360円 | 約336円 |
| スロープ | 約2,660円 | 約266円 |
| 歩行器 | 約3,200円 | 約320円 |
| 歩行補助つえ | 約1,110円 | 約111円 |
| 徘徊感知機器 | 約7,260円 | 約726円 |
| 移動用リフト | 約17,410円 | 約1,741円 |
※介護給付費等実態統計(令和8(2026)年5月審査分)の単位数を日数で割って30日分に直し、1単位10.00円で計算した全国の平均です。福祉用具のレンタルは、地域による割増がありません。
※自己負担2割の方は1割の2倍、3割の方は3倍です。
※自動排泄処理装置は借りている件数が少ないため、載せていません。
介護ベッドは「一式」で考えます
介護ベッドは、マットレスやサイドレールなどの付属品と一緒に借りるのがふつうです。国の統計では、ベッド1台あたり付属品はおよそ3点。ベッドと付属品3点で1か月約12,600円、自己負担1割なら約1,260円が目安です。
では、1人の方が1か月に借りている用具を合計すると、いくらになるのでしょうか。要介護度ごとの平均です。
図21人が借りている福祉用具の合計(1か月・全国の平均)
介護給付費等実態統計(令和8(2026)年5月審査分)の、受給者1人当たり費用額です。要支援は介護予防福祉用具貸与の値です。
要介護1から要介護2で、合計が大きく増えます。要介護2になると、介護ベッドや車いすを借りられるようになるためです。それでも要介護1〜5のどの区分でも、1か月の上限(支給限度額)の1割に届きません。福祉用具のために、ほかのサービスを大きく削らなければならない、ということは多くありません。

同じ商品でも、レンタル料は事業所によって違います。極端に高い料金を防ぐために、国が商品ごとに「全国平均貸与価格」を公表し、上限(全国平均に、ばらつきの幅を1つ足した額)を超える料金では介護保険が使えない仕組みになっています※3。2018年10月に始まり、新しい商品は3か月ごとに加わります。
あわせて、福祉用具の事業所には次の2つが義務づけられています。
運び入れや組み立ては、レンタル料に含まれます。別にお金がかかるのは、事業所の通常のサービス地域の外にお住まいの場合の交通費や、クレーンで窓から入れるなど、特別な運び入れが要る場合です。
見せてもらうときは、2つ以上の商品で
相談員に「同じ種目で、ほかの商品もありますか」「この商品の全国平均はいくらですか」と、そのまま聞いてみてください。料金だけでなく、ご本人の体格や、ベッドを置く部屋の広さに合うかどうかも、比べながら確かめられます。
軽度の方には、状態から見て必要になることが想定しにくい用具があるため、要支援1・2と要介護1の方は、次の種目を原則として借りられません※4。
借りられるもの
手すり/スロープ/歩行器/歩行補助つえ。工事をしない置き型の手すりも、この中に入ります。
原則、借りられないもの
車いすと付属品/介護ベッドと付属品/床ずれ防止用具/体位変換器/徘徊感知機器/移動用リフト/自動排泄処理装置。
自動排泄処理装置(尿だけを吸い取るものを除く)は、要介護2・3の方も原則として対象外です。
例外として借りられる場合があります
「要介護1だから無理」と決める前に、担当のケアマネジャーに「例外にあたらないか」とおたずねください。例外にあたらない場合でも、全額自己負担でレンタルしている方もおられます。
要支援の方が使えるサービス全体は要支援1とはに、区分ごとの違いは要支援と要介護の違いにまとめています。
買うほうの福祉用具(特定福祉用具)は、次の9種目です※2。
※表は横にスクロールできます
| 種目 | たとえば |
|---|---|
| 腰掛便座 | ポータブルトイレ、洋式便器の高さを補う補高便座、立ち上がりを助ける便座、和式便器の上に置いて腰掛式にするもの |
| 入浴補助用具 | 入浴用のいす(シャワーチェア)、浴槽用の手すり、浴槽内のいす、入浴台、すのこ、入浴用の介助ベルト |
| 簡易浴槽 | 空気で膨らませる、折りたためるなど、工事をしないで使える浴槽 |
| 移動用リフトのつり具 | リフトで体を支えるシートの部分 |
| 排泄予測支援機器 | 膀胱の状態を感知して、トイレに行くころあいを知らせる機器 |
| 自動排泄処理装置の交換可能部品 | レシーバーやチューブなど、尿や便の通り道になる部分 |
| スロープ★ | 玄関の小さな段差などに置いて、あまり動かさないもの |
| 歩行器★ | 車輪のない、持ち上げて進むもの |
| 歩行補助つえ★ | 多点杖、ロフストランド・クラッチなど(松葉づえを除く) |
※★は、2024年4月から借りるか買うかを選べるようになった3種目です(くわしくは後ほど)。
年10万円の決まり
この10万円は、1か月の上限(支給限度額)とも、住宅改修の20万円とも別枠です。
浴室での入浴そのものが難しくなってきたときは、浴槽ごと持ってきてもらう訪問入浴という方法もあります。
買う場合は、多くの市区町村でいったん全額を払い、あとで申請して戻してもらう形(償還払い)になります。
図3相談してから、購入費が戻ってくるまで
※最初から1〜3割だけを払えばよい「受領委任払い」を取り入れている市区町村もあります。申請できるのは、買った日の翌日から2年以内です。
2024年4月から、次の3つは「借りる」か「買う」かを選べるようになりました※5。
どちらが得かは、どれくらいの期間使うかで決まります。「買う値段 ÷ 1か月のレンタル料」で、何か月使えば並ぶかが分かります。たとえば、つえのレンタル料は全国の平均で月約1,110円なので、仮に1万円のつえなら、10か月ほどで買ったほうが安くなる計算です。自己負担の割合が同じなら、この月数は変わりません。
一方で、退院した直後など、状態が変わりやすい時期は借りておくほうが安心です。合わなくなれば取り替えられるからです。借りた場合は、使いはじめてから6か月以内に、福祉用具専門相談員が使い方と必要性を確かめに来ます。
福祉用具の事業所には、福祉用具専門相談員という専門の相談員がいます。ご本人の体の状態や家の中での動き方を見て用具を選び、どの用具を何のために使うかをまとめた計画書を作ります。借りたあとも定期的に訪問して、合っているかを確かめます。

用具を整えても、家での暮らしが難しくなってきたら
ベッドや車いすを整えても、夜間の介助や移動の負担が大きくなってきたら、住まいを移すことも選択肢に入ってきます。住まいるの相談員は、介護の現場を長く見てきた者ばかりです。在宅を続ける工夫も、住まいを移す場合の探し方も、ご家族と一緒に考えます。ご相談は無料です。
実際にご相談された方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
全国の平均で、ベッド本体が月約8,700円です(国の統計から計算)。マットレスやサイドレールなどの付属品を3点合わせると月約12,600円、自己負担1割なら約1,260円が目安です。料金は商品と事業所によって違います。
要介護2以上の方は使えます。全国の平均で月約7,370円、自己負担1割なら約740円です。要支援1・2と要介護1の方は原則として対象外ですが、認定調査で「歩行ができない」と判定されている場合や、医師の意見をもとに市区町村が認めた場合は借りられます。
入ります。ほかの在宅サービスと合わせて、要介護度ごとの上限の中で使います。ただ、国の統計では1人が借りている用具の合計は要介護5でも平均で月約24,800円で、要介護1〜5のどの区分でも上限の1割に届きません。住宅改修(20万円)と福祉用具の購入費(年10万円)は、この上限とは別枠です。
ポータブルトイレなどの腰掛便座、シャワーチェアなどの入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具、排泄予測支援機器、自動排泄処理装置の交換部品の6種目と、2024年4月から借りるか買うかを選べるようになったスロープ・歩行器・歩行補助つえの一部です。1年間(4月から翌年3月)に10万円まで、自己負担の割合に応じて7〜9割が戻ります。
なりません。購入費が出るのは、都道府県などの指定を受けた福祉用具の事業所から買った場合だけです。買う前にケアマネジャーに相談し、指定を受けた事業所で選ぶと、体に合うかどうかも一緒に確かめられます。
入院している間は、介護保険で借りることはできません。入院が長くなりそうなときは、いったん返すか、自費で借り続けるかを事業所と相談します。月の途中で入院・退院した月の扱いは市区町村や事業所によって違いますので、担当のケアマネジャーにご確認ください。
同じ種目は原則として1回だけです。ただ、壊れて使えなくなった場合や、状態が大きく変わって別の用具が必要になった場合などは、もう一度支給の対象になることがあります。市区町村に申請する前に、ケアマネジャーに相談してみてください。
介護保険の福祉用具は、借りる13種目と買う9種目に分かれます。借りるほうは毎月のレンタル料の1〜3割を払い、1か月の上限(支給限度額)の中で使います。買うほうは別枠で、1年に10万円まで、7〜9割が戻ります。
レンタル料は事業所ごとに違いますが、全国の平均では介護ベッドと付属品3点で月約12,600円、車いすで月約7,370円。1人が借りている用具の合計は、要介護の方ならどの区分でも上限の1割に届きません。要支援1・2と要介護1の方は車いすや介護ベッドを原則借りられませんが、例外として認められる場合があります。
用具が合っているかどうかで、ご本人の動きやすさも、介護する方の負担も変わります。合わないと感じたら、早めに相談員に伝えて取り替える。それが、福祉用具を上手に使ういちばんの近道です。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は2026年10月時点の制度にもとづいています。レンタル料は全国の平均で、実際の料金は商品と事業所によって異なります。購入費の申請の方法や書類は市区町村によって異なりますので、お住まいの市区町村の窓口または担当のケアマネジャーにご確認ください。
お一人おひとりの様々なニーズに合った
老人ホームをご紹介します。
お気軽にご相談ください。
ケアマネジャー・医療ソーシャルワーカー(MSW)・金融機関の皆さまへ
担当されている方・お客様の住まいのご相談、退院先の調整を承ります。ご相談は無料・1件からお受けしています。