COLUMN

介護と住まいのコラム

介護の基礎知識 2026.09.17

要支援・要介護とは|7つの区分の目安と、区分で変わること

要支援は、いまの状態が悪くならないように支える段階。要介護は、実際に介護が必要な段階です。この2つは要支援1・2と要介護1〜5の7つの区分に分かれます。分かれ目は「介護にどれくらい手間がかかるか」を時間に換算した要介護認定等基準時間です※1。認定結果の通知を受け取って、「この数字が何を意味するのか」「これで何が変わるのか」と思われた方へ。この記事では、7つの区分の目安と、1か月に使える上限、そして区分によって変わることを整理します。

要介護度の認定結果の通知を前に、お母様と娘さんが一緒に確かめているイラスト

この記事の要点

  • 要支援は「悪くならないように支える」段階、要介護は「実際に介護が必要な」段階です。相談する先も、使えるサービスも変わります。
  • 区分は要支援1・2と要介護1〜5の7つ。「介護にかかる手間」を時間に換算した要介護認定等基準時間で分かれます。
  • 要支援2と要介護1は、要介護認定等基準時間が同じです。分かれ目は時間ではなく、「支援で改善が見込まれるか」という見立てのほうです。
  • 1か月に使える上限は要介護1で16,765単位、要介護5で36,217単位。倍以上の差があります。
  • 特養は原則要介護3以上。有料老人ホームやサ高住は要支援・自立から入れるところもあります。

要介護度とは|7つの区分

要介護度は、介護がどれくらい必要かを国が定めた7つの区分です。軽いほうから要支援1・要支援2・要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5と並びます。

要支援と要介護は、性格が違います

  • 要支援1・2:いまの状態が悪くならないように支える段階です。窓口は地域包括支援センターで、介護予防のサービスを使います
  • 要介護1〜5:実際に介護が必要な段階です。窓口は居宅介護支援事業所のケアマネジャーで、介護サービスを使います

同じ「認定を受けた」でも、相談する先が変わります。ここを知らずに市区町村の窓口へ行き来される方が少なくありません。

申請から認定までの流れは要介護認定の申請方法と流れでご説明しています。この記事は、認定結果を受け取ったあとの話です。

区分は何で決まるのか

区分の物差しは要介護認定等基準時間です※1。訪問調査の結果をもとに、「介護にどれくらい手間がかかるか」を時間に換算したものです。

図1区分と、要介護認定等基準時間

要支援125分以上32分未満

要支援232分以上50分未満

要介護1と同じ時間帯です

要介護132分以上50分未満

要介護250分以上70分未満

要介護370分以上90分未満

要介護490分以上110分未満

要介護5110分以上

厚生省令第58号にもとづく区分です。この時間は判定のための物差しで、実際に介護に使う時間そのものではありません。

ここで大事なのは、この時間が「実際にかかる介護の時間」ではないことです。訪問調査の項目から機械的に計算されるもので、ご家族が毎日どれだけ手をかけておられるかとは別のものさしです。

そして、この一次判定のあとに、主治医意見書とあわせて介護認定審査会が最終的に決めます(二次判定)。認知症で目が離せない、といった事情はここで加味されます。

要支援2と要介護1は、同じ時間帯

意外に知られていないのですが、要支援2と要介護1の要介護認定等基準時間は、どちらも32分以上50分未満で同じです※1

分かれ目は「支援で改善が見込まれるか」

  • 要支援2:支援によって状態の維持や改善が見込まれると判断された場合
  • 要介護1:認知症などで理解が難しい場合や、状態が不安定で今後悪くなりそうな場合

時間が同じなのに区分が分かれるのは、この見立ての違いによるものです。

この1段の差が、実際には大きく効きます。相談先が地域包括支援センターからケアマネジャーに変わり、1か月に使える上限も10,531単位から16,765単位へ、1.6倍になります。「要支援2と言われたが、実感と合わない」というご相談が多いのは、この境目にあたるためです。

区分ごとの状態の目安

認定を受けておられる方は、全国で7,425,362人。区分ごとの人数には、かなりの偏りがあります。

図27つの区分に、それぞれ何人いるか

要支援11,103,016人(14.9%)

要支援21,071,911人(14.4%)

うすい2本が要支援。認定を受けた方の29.3%がここにあたります

要介護11,536,800人(20.7%)

7つの区分のなかで、いちばん多い段です

要介護21,247,045人(16.8%)

要介護3954,300人(12.9%)

要介護4928,268人(12.5%)

要介護5584,022人(7.9%)

令和8年6月末現在。認定を受けておられる方は全国で7,425,362人です※2

区分ごとの状態と、ご相談の場でよくうかがうご様子を並べます。

※表は横にスクロールできます

区分状態の目安たとえば、こんなご様子
ほうきで掃除をするお父様のイラスト要支援1身のまわりのことはほぼご自分でできますが、掃除など一部に見守りや手助けが要る状態です。ひとりで外出もお買い物もできますが、浴室の掃除や布団の上げ下ろしがつらくなってこられます。
杖をついてご自分で歩くお父様のイラスト要支援2要介護1と同じ時間帯ですが、支援によって改善が見込まれると判断された状態です。歩くのに時間がかかり、立ち上がるときや浴槽をまたぐときに、つかまるものが要ります。
杖をつくお父様の背中に、娘さんが手を添えているところのイラスト要介護1立ち上がりや歩行が不安定で、排せつや入浴に部分的な介助が要る状態です。ご自分の足で歩けますが、立ち上がりでふらつき、入浴では背中を洗うのに手を貸します。
歩行器につかまるお父様を、職員が後ろから支えているところのイラスト要介護2立ち上がりや歩行が自力では難しく、排せつや入浴に介助が要る状態です。支えがあれば短い距離は歩けます。入浴はほぼお手伝いし、夜のトイレにも付き添います。
車いすのお父様を、職員が押しているところのイラスト要介護3立ち上がりや歩行が自力ではできず、排せつ・入浴・着替えに全面的な介助が要る状態です。ご自分の手で食事はとれますが、移動は車いすで、排せつと着替えは代わりに行います。
ベッドで上体を起こしたお父様の肩に、職員が手を添えているところのイラスト要介護4介助なしでは日常生活を送ることが難しく、思考力や理解力の低下がみられることもあります。食事は声をかけて手を添えて。ベッドと車いすの移乗や、夜間の体位の交換も介助します。
ベッドに横になったお父様のそばに、職員がついているところのイラスト要介護5介助なしでは日常生活を送ることがほぼできず、意思の伝達が難しいこともあります。お声は届いていて表情も変わりますが、寝返りから食事まで、すべてに介助が要ります。

※状態の目安は、相談の現場で接することの多い姿をもとにした一般的な説明です。認定は個々の調査結果と主治医意見書にもとづいて行われますので、同じ区分でもお一人ずつ状態は異なります。

7つの区分には、それぞれ記事があります

  • 要支援1とは|デイとヘルパーが「総合事業」である理由と、借りられる福祉用具
  • 要支援2とは|使える枠が2倍を超える段。グループホームはここから
  • 要介護1とは|要支援2との分かれ目と、ひとり暮らしを続けられるか
  • 要介護2とは|手はかかるのに、使える枠がいちばん増えない段
  • 要介護3とは|特養に申し込めるようになる段。それでも4人に3人は在宅
  • 要介護4とは|在宅を続けるために要るもの。分かれ目は夜間
  • 要介護5とは|全介助になったときの備えと、医療的ケアで変わる行き先

状態の目安だけでなく、その区分で何人の方がどのサービスを使っておられるかまで、数字でご説明しています。要支援と要介護では、使えるサービスの仕組みそのものが違いますので、要支援の方は上の2本をご覧ください。

介護のやることリスト|8つの段階

認定結果が出たあと、次に何をすればよいかが分かります

やることを見る

1か月に使える上限

区分がいちばんはっきり効くのが、1か月に使えるサービスの上限(区分支給限度基準額)です※3

図3区分ごとの、1か月に使える上限

要支援15,032単位

1割なら月5,032円まで

要支援210,531単位

1割なら月10,531円まで

要介護116,765単位

1割なら月16,765円まで

要介護219,705単位

1割なら月19,705円まで

要介護327,048単位

1割なら月27,048円まで

要介護430,938単位

1割なら月30,938円まで

要介護536,217単位

1割なら月36,217円まで

1単位10.00円・自己負担1割で計算した目安です。1単位の単価は地域とサービスの種類によって10.00円から11.40円まで変わります。

※表は横にスクロールできます

区分上限(単位)サービスの総額1割のご負担
要支援15,032単位50,320円5,032円
要支援210,531単位105,310円10,531円
要介護116,765単位167,650円16,765円
要介護219,705単位197,050円19,705円
要介護327,048単位270,480円27,048円
要介護430,938単位309,380円30,938円
要介護536,217単位362,170円36,217円

※上限まで使った場合の目安です。実際には必要なぶんだけ使いますので、ここまで使う方ばかりではありません。
※上限を超えた分は全額のご負担になります。住宅改修や特定福祉用具の購入は、この枠とは別枠です。

要介護1と要介護5では、使える枠が19,452単位(月20万円近く)違います。区分が上がるのは大変なことですが、使えるサービスの幅はそのぶん広がります

区分で変わること|施設とサービス

区分によって、入れる施設と使えるサービスに線引きがあります。線が引かれているのは、4か所だけです。

※表は横にスクロールできます

施設・サービス入れる(使える)区分
特養原則要介護3以上(やむを得ない事情があれば要介護1・2も特例入所)
老健要介護1以上
グループホーム要支援2以上かつ認知症の診断
有料老人ホーム自立・要支援から入れるところもあります
サ高住自立・要支援から入れるところもあります
ショートステイ要支援1から
住宅改修・特定福祉用具の購入要支援1から(区分にかかわらず20万円まで)

「要介護3以上」の壁は、特養だけです

ご相談でよくうかがうのが「要介護2だから施設は無理ですよね」というお言葉です。そんなことはありません。要介護3以上という条件があるのは特養で、有料老人ホームやサ高住には要支援の段階から入れるところが多くあります。グループホームも要支援2から候補になります。特例入所の実際の人数は要介護2とはでご説明しています。

区分が実際と合わないと感じたら

認定は、有効期間(新規は原則6か月、更新は原則12か月)のあいだ続きます。ただし途中でも区分変更の申請ができます

図4区分が実情と合わないときの、3つの道

  • まず、ケアマネジャーに

    実際にはこれがいちばん早い道です。調査のときに伝えきれなかったことを整理してもらえますし、いまの区分のままで組み替えられる余地があるかも分かります。

  • 区分変更を申請する

    心身の状態が変わったときに、市区町村へ申し出ます。有効期間の途中でもできます。もう一度、認定調査と審査会を通ります。

  • 不服申立てをする

    認定結果そのものに納得がいかない場合は、都道府県の介護保険審査会へ。結果が出るまで時間がかかりますので、急ぐときは区分変更のほうが現実的です。

左から順にお試しになるのが、いちばん早く落ち着きます。

認定調査のときは、ご本人が普段よりしっかりお答えになることがよくあります。ご家族が同席して、日ごろの様子を具体的にお伝えになることが、実情に合った区分につながります。「夜に何度起きるか」「同じことを何度うかがうか」といった頻度の話は、とくに伝わりやすいところです。

認定結果が出たあと、何から手をつけるか迷っておられませんか

「要介護2と出たけれど、この先どうすればよいのか」——住まいるの相談員は、介護の現場を長く見てきた者ばかりです。区分に応じた組み立て方から、施設を考える時期まで、ご相談は無料で、何度でもうかがいます。

実際にご相談された方のお話はお客様の声でご覧いただけます。

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よくあるご質問

要支援と要介護は、何が違うのですか

要支援は、いまの状態が悪くならないように支える段階です。窓口は地域包括支援センターで、介護予防のサービスを使います。要介護は、実際に介護が必要な段階です。窓口は居宅介護支援事業所のケアマネジャーで、介護サービスを使います。同じ「認定を受けた」でも、相談する先とサービスの呼び方が変わります。区分は要支援が1・2の2つ、要介護が1〜5の5つで、合わせて7つです。

要介護度は、どうやって決まるのですか

「介護にどれくらい手間がかかるか」を時間に換算した要介護認定等基準時間で分かれます。訪問調査の結果をコンピュータで判定し(一次判定)、主治医意見書とあわせて介護認定審査会が最終的に決めます(二次判定)。時間はあくまで判定のための物差しで、実際に介護に使う時間そのものではありません。

要支援2と要介護1は、何が違うのですか

要介護認定等基準時間は32分以上50分未満で、どちらも同じです。分かれ目は、支援によって状態の維持や改善が見込まれるかどうかです。見込まれると判断されれば要支援2、認知症などで理解が難しい場合や状態が不安定な場合は要介護1になります。時間が同じでも、1か月に使える上限は10,531単位から16,765単位へ1.6倍になります。

要介護度が上がると、使えるお金はどれくらい増えますか

1か月に使える上限(区分支給限度基準額)は、要介護1が16,765単位、要介護5が36,217単位です。1単位10円で計算すると、サービスの総額で月16万7千円ほどから36万2千円ほどまで、倍以上の差があります。自己負担1割の方なら、上限まで使ったときのご負担はその1割です。

特養には、要介護いくつから入れますか

原則として要介護3以上です。ただし、やむを得ない事情がある場合は要介護1・2の方でも特例入所の道があります。一方で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、要支援や自立の段階から入れるところもあります。

要介護度が実際の状態と合っていないと感じたら

区分変更の申請ができます。有効期間の途中でも、心身の状態が変わったときにはお住まいの市区町村や地域包括支援センターに申し出てください。認定結果そのものに納得がいかない場合は、都道府県の介護保険審査会に不服申立てをする道もあります。まずは担当のケアマネジャーにご相談になるのが早道です。

要介護度が下がることはありますか

あります。リハビリなどで状態がよくなれば、更新のときに区分が軽くなることがあります。その場合は使える上限も下がりますので、ケアプランの組み直しが要ります。区分が下がったことでサービスが足りなくなったと感じたときは、ケアマネジャーに率直にお伝えください。

要支援でも施設に入れますか

入れます。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅には、要支援や自立の方を受け入れているところが多くあります。認知症の診断があれば、要支援2からグループホームも候補になります。特養は原則要介護3以上ですので、そこだけ線引きが違います。

要介護度が上がると、自己負担の割合も上がりますか

上がりません。1割・2割・3割という負担割合は、ご本人とご世帯の所得で決まるもので、要介護度とは関係がありません。要介護5でも所得が低ければ1割ですし、要支援1でも所得が高ければ3割になります。区分が上がって変わるのは、1か月に使えるサービスの上限のほうです。

認定の有効期間は、どれくらいですか

新規の認定は原則6か月、更新は原則12か月です。状態が安定しておられる場合は、更新のときに最長48か月まで延ばされることがあります。期間が切れる60日前から更新の申請ができ、市区町村から案内が届きます。有効期間の途中でも、心身の状態が変わったときには区分変更の申請ができます。

要介護度によって、施設の費用は変わりますか

変わる部分と、変わらない部分があります。施設サービス費は要介護度が上がるほど高くなります。一方で食費と居住費は要介護度では変わらず、お部屋の種類と施設によって決まります。特養でいえば、自己負担1割で負担限度額認定を受けていない場合、多床室で月9〜10万円、ユニット型個室で月13〜14万円ほど。要介護度による差より、お部屋の種類による差のほうが大きく出ます。

まとめ

要介護度は要支援1・2と要介護1〜5の7区分。「介護にかかる手間」を時間に換算した要介護認定等基準時間で分かれます。この時間は判定のための物差しで、実際の介護時間とは別のものです。

要支援2と要介護1は同じ時間帯で、分かれ目は「支援で改善が見込まれるか」。この1段で相談先が変わり、使える上限も1.6倍になります。

1か月に使える上限は要介護1で16,765単位、要介護5で36,217単位。「要介護3以上」という条件があるのは特養だけで、有料老人ホームやサ高住は要支援の段階から入れるところもあります。

区分は変えられないものではありません。実情と合わないと感じられたときは、担当のケアマネジャーか、私たち住まいるにお声がけください。

この記事の監修者

相談員 K.C

東急ウェルネス株式会社

老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー

  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • 介護福祉士
  • 社会福祉主事
  • 児童福祉司
  • ホームヘルパー2級

福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。

本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら

出典・参考

※本記事は2026年9月時点の制度にもとづいています。状態の目安は一般的な説明で、認定は個々の調査結果と主治医意見書にもとづいて行われます。上限の金額は1単位10.00円・自己負担1割で試算した目安です。人数と割合は令和8年6月末現在の認定者数から計算しています。

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