「親の様子がおかしいが、どこに相談すればいいのか」——介護の入口で誰もが立ち止まるこの問いに、答えは一つあります。地域包括支援センターです。市区町村が設置する高齢者のための総合相談窓口で、専門職が無料で相談に応じてくれます。この記事では、何ができる場所なのか、どう使えばよいのかをご説明します。
この記事の要点
地域包括支援センターは、介護保険法にもとづいて市区町村が設置する、高齢者のための総合相談窓口です。市区町村が直接運営する場合と、社会福祉法人などに委託して運営される場合があります。
おおむね中学校区に1か所程度の割合で設置されており、担当地区に住んでいる方であれば誰でも無料で相談できます。介護保険を使っていない段階でも、要介護認定を受けていなくても構いません。
自治体によって呼び名が違います
正式名称は「地域包括支援センター」ですが、親しみやすい愛称をつけている自治体が多くあります。たとえば世田谷区では「あんしんすこやかセンター」という名称で、区内28か所に設置されています。
「〇〇市 地域包括支援センター」で検索するか、市区町村の代表電話に問い合わせれば、担当のセンターを教えてもらえます。
地域包括支援センターには、原則として次の3つの専門職が配置されています。
図13つの専門職が、それぞれの方向から相談に乗ります
保健師
(または経験のある看護師)
健康面、医療との連携、介護予防を担当します。
社会福祉士
制度の案内、権利擁護、虐待や消費者被害への対応を担当します。
主任介護支援専門員
(主任ケアマネジャー)
ケアマネジャーの支援、複雑なケースの調整を担当します。
※介護・医療・福祉の3方向から相談に乗れる体制です。「これは誰に聞けばいいのか分からない」という段階の相談を、そのまま持ち込める場所だとお考えください。
介護・医療・福祉の3方向から相談に乗れる体制になっているのが、この窓口の強みです。「これは誰に聞けばいいのか分からない」という段階の相談を、そのまま持ち込める場所だと考えてください。
高齢者本人やご家族からのあらゆる相談を受け付け、必要な機関やサービスにつなぎます。「何を相談すればいいか分からない」という状態でも大丈夫です。
高齢者虐待への対応、消費者被害(悪質な訪問販売やリフォーム詐欺など)の防止、成年後見制度の利用支援を行います。ご家族による介護が限界を超えて虐待に近づいている場合も、責める場所ではなく助ける場所です。ためらわずご相談ください。
地域のケアマネジャーへの助言や、医療機関との連携づくりを行います。対応が難しいケースを、ケアマネジャーと一緒に検討する役割です。
要支援1・2と認定された方のケアプラン(介護予防ケアプラン)を作成します。要支援の方にとっては、ケアマネジャーの役割をこのセンターが担うことになります。
実際にどんなことを相談できるのか、例を挙げます。
図2こんなことを相談できます
※介護サービスの話に限りません。高齢の親にまつわる困りごと全般が相談対象です。
見ていただくと分かるとおり、介護サービスの話に限りません。高齢の親にまつわる困りごと全般が相談対象です。
住まいのことは「住まいる」にもご相談ください
地域包括支援センターは在宅生活の支援が中心です。施設への住み替えについて具体的に検討したい場合は、東急線沿線で介護事業の運営に携わってきた「住まいる」の相談員が、施設のご紹介から見学同行まで何度でも無料でお手伝いします。
最も間違えやすい点です。担当のセンターはご本人(親御さん)の住所地で決まります。ご自身がどこにお住まいでも関係ありません。
図3担当センターの見つけ方は3通り
検索する
「(親の住む市区町村名) 地域包括支援センター」で検索します。自治体の公式サイトに一覧が掲載されています。
市区町村の代表電話にかける
住所を伝えれば、担当センターを案内してもらえます。
介護保険被保険者証と一緒に届く案内を見る
担当センターが記載されていることがあります。
※担当のセンターはご本人(親御さん)の住所地で決まります。ご自身がどこにお住まいでも関係ありません。
遠方にお住まいでも、電話での相談を受け付けています。「離れて暮らしていて様子が分からない」という相談は日常的に寄せられており、状況によっては訪問して様子を確認してもらえることもあります。
次の点を整理しておくと、初回の相談から具体的な話に進めます。
図4電話の前に、この5つを整理しておくと話が早く進みます
※うまく説明できなくても構いません。「親のことで困っているのですが」の一言から始めれば、あとは向こうが聞いてくれます。
うまく説明できなくても構いません。「親のことで困っているのですが」の一言から始めれば、あとは向こうが聞いてくれます。
※表は横にスクロールできます
| 地域包括支援センター | ケアマネジャー(居宅介護支援事業所) | |
|---|---|---|
| 設置主体 | 市区町村(公的な窓口) | 民間の事業所が中心 |
| 主な対象 | 地域の高齢者全般(認定の有無を問わない) | 要介護1〜5と認定された方 |
| ケアプラン | 要支援1・2の方の介護予防ケアプラン | 要介護1〜5の方のケアプラン |
| 関わり方 | 入口の相談・つなぎ役 | 継続的な担当者として伴走 |
おおまかには、まず地域包括支援センターに相談し、要介護認定が出たらケアマネジャーに引き継がれるという流れです。要支援のままであれば、引き続きセンターが担当します。
無料です。ケアプランの作成費用も自己負担はありません。
できます。むしろ、使う前の段階での相談こそがこの窓口の本領です。「まだ大丈夫だと思うけれど、そろそろ心配」という段階でご相談ください。
ご家族だけで相談して構いません。ご本人に知られたくない事情がある場合も、その旨を伝えれば配慮してもらえます。
自治体によって異なりますが、平日日中が中心で、土曜も開所しているセンターがあります。営業時間は事前に確認してください。
地域の施設についての情報提供は受けられます。ただし在宅生活の支援が中心のため、施設選びを具体的に進める段階では、施設紹介サービスを併用するのが実務的です。
介護で何から始めればよいか分からないとき、地域包括支援センターに電話する。これが最も確実な第一歩です。無料で、認定がなくても、遠方からでも相談できます。
そして忘れないでいただきたいのは、ご家族自身の困りごとも相談してよいということ。「介護がつらい」「仕事と両立できない」という相談も、この窓口が受け止めます。一人で抱え込まないことが、介護を長く続けるための最大のコツです。
住まいの検討段階に入られたら、私たち「住まいる」にもお声がけください。
この記事の監修者
東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。
出典・参考
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な説明です。名称・設置数・開所時間・受けられる支援の内容は自治体により異なります。最新の情報はお住まいの市区町村の公式サイトまたは窓口でご確認ください。
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