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「親の老人ホームを探すことになったけれど、何から手をつければよいのか分からない」——ご相談の入り口で、いちばん多くうかがう言葉です。ただ、探し方にはおおよその型があります。先に決めておくことが3つ、相談できる窓口が5つ、そして入居までにかかる期間の目安。この記事では、その全体像を順にご説明します。老人ホーム、高齢者向け住宅、サ高住。呼び方は違っても、探し方の道筋は同じです。
この記事の要点
目次
老人ホーム探しでいちばん多い行き詰まり方は、候補が多すぎて決められなくなることです。首都圏だけでも施設は数千件あり、条件を決めずに資料を集めると、比べる作業そのものが目的になってしまいます。
そこで、探しはじめる前に次の3つを決めておくと、その後がずいぶん楽になります。ご家族のあいだで話しておくだけでも構いません。
図1先に決めておく3つのこと
いつまでに
退院日が決まっている、在宅がもう難しい、まだ数年先でよい。期限があるかどうかで、探し方がまったく変わります。
いくらまで
年金と預貯金から、月々いくらまで出せるか。上限を決めてから探すほうが、結果的に選択肢は広がります。
どこで
ご家族が通える範囲かどうか。片道1時間を超えると、面会の頻度は目に見えて落ちる傾向があります。
この3つのうち、いちばん後回しにされやすいのが「いくらまで」です。金額の話は気が重く、つい先送りになります。ただ、月額の上限が決まっていないと施設を絞れず、見学してから予算が合わないと分かる、ということが起こります。
年金額と預貯金を入れるだけで、払える月額の目安と資産が何年もつかを試算できます。数字にしてみると、思っていたより幅があることも少なくありません。
費用の内訳そのものを知りたい場合は老人ホームの費用相場と内訳を、予算が限られている場合は年金だけで入れる老人ホームはある?をご覧ください。
「まず、どこに電話すればよいのか」。これもよくいただくご質問です。相談先は5つあり、それぞれ得意なことが違います。ひとつに絞る必要はなく、状況に応じて併用するのが実際的です。
図25つの相談窓口と、得意なこと
※表は横にスクロールできます
| 窓口 | 得意なこと | 費用 |
|---|---|---|
| 地域包括支援センター | 制度の案内、在宅サービスの調整。まだ何も決まっていない段階の入り口として最適です | 無料 |
| 担当のケアマネジャー | ご本人の状態をいちばん把握しています。施設へ伝える情報を整えてもらえます | 無料(介護保険) |
| 病院の医療ソーシャルワーカー | 入院中の場合の退院先の調整。医療的な条件がある場合に強い窓口です | 無料 |
| 市区町村の窓口 | 特養の申し込み、負担限度額認定などの申請 | 無料 |
| 老人ホームの紹介会社 | 民間施設の空き状況、条件に合う候補の絞り込み、見学の手配と同行 | ご家族のご負担はありません |
おおまかには、公的な窓口は制度と在宅サービスに、紹介会社は民間施設を探す場面に強いとお考えください。特別養護老人ホームのように市区町村へ申し込む施設は、自治体の窓口が入り口になります。
「住まいる」は5つ目にあたります。空室の状況や、実際にどのご状態まで受け入れているかは、パンフレットからは読み取れません。そこを日々確認しているのが紹介会社の役割で、私たちが力になれるのもそこです。ご相談から見学の同行、ご入居後まで、ご家族からいただく費用はありません。
相談するときに、そろえておくと早いもの
介護保険の被保険者証(要介護度が書かれています)、お薬手帳、直近の診療情報提供書があれば、それだけで話がかなり具体的になります。そろっていなくても相談は始められますので、お手元にあるものだけで結構です。
まだ何も決まっていない段階でもご相談ください
「いつまでに」「いくらまで」「どこで」。この3つを一緒に整理するところから承ります。介護の現場を経験した相談員が、東京・神奈川・埼玉・千葉の3,000施設からお選びします。何度でも無料です。
実際にご相談いただいた方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
探しはじめてからご入居までは、早ければ1か月程度、一般的には2〜3か月程度が目安です。特別養護老人ホームを待つ場合は、さらに長くなることがあります。
図3ご相談から入居までの6段階
※期間は地域・施設・ご本人の状態によって大きく変わります。あくまで目安としてご覧ください。
要介護認定の手続きについては要介護認定の申請方法と流れで詳しくご説明しています。認定の結果が出る前でも、施設への相談も見学も可能です。「認定が出てから」と待っているうちに退院日が来てしまう、ということが実際に起こります。
入院中で退院日が決まっている場合は、時間の使い方が変わります。退院を迫られたらにまとめました。
条件はいくつもありますが、絞る順番を決めておくと迷いません。おすすめしているのは、状態・お金・場所の順です。
要介護度、認知症の有無、医療的なケアの必要性。この3つで、候補になる施設の種類はかなり絞られます。老人ホーム・高齢者向け住宅の種類に一覧表があります。
特に見落とされやすいのが「2年後の状態」です。介護は重度化していくことが多く、いま合っていても数年後に住み替えが必要になると、ご本人の負担はかなり大きくなります。重くなったときにも住み続けられるかを、はじめの段階で確かめておくと安心です。
状態別には、認知症でも入れる老人ホームの選び方、医療的ケアが必要でも入れる老人ホームをご覧ください。種類ごとの詳細は特養、老健、介護付き有料と住宅型の違い、サ高住、グループホームにそれぞれまとめています。
月額の表示だけで比べると、あとで食い違いが出ます。実費として上乗せされるもの(おむつ代、理美容、医療費、日用品など)まで含めた総額で並べてください。
介護保険の自己負担は所得によって1割から3割に分かれ、所得が低い方は負担限度額認定や高額介護サービス費で負担が下がることがあります。これらは申請しなければ適用されません。
入居して終わりではなく、そこから面会が続きます。片道1時間を超えると、面会の頻度は目に見えて落ちる傾向があります。ご本人の住み慣れた土地を優先するか、ご家族の通いやすさを優先するかは、ご家庭によって答えが変わるところです。
情報収集はできるだけたくさんしたいところですが、実際の見学は3〜4件程度に絞ることをおすすめしています。1日に何件もまとめて回ると、どこで何を見たのか記憶があいまいになり、比較そのものが難しくなるからです。
そして見学は「なんとなく雰囲気を見る」場ではありません。あらかじめ確認する項目を決めておくことが、後悔しない施設選びの分かれ目になります。当日の確認項目は老人ホーム見学のチェックリストに25項目としてまとめました。
候補が決まったら、契約の前に次の4点を確かめておくと、あとで慌てずに済みます。
図4契約前に確かめる4点
退去をお願いされるのは、どんなときか
重要事項説明書に書かれています。医療的な処置が増えたとき、認知症の症状が進んだときの扱いは、施設によって差があります。
身元保証人は必要か
多くの施設で求められます。当てがない場合の方法は身元保証人がいないときにまとめています。
入居時費用の返還はどうなるか
短期間で退去することになった場合の返還の考え方(初期償却と償却期間)を、契約前に確かめておきます。
夜間はどういう体制か
看護師が常駐しているか、オンコールか。ご本人の状態が変わったときに、いちばん効いてくる違いです。
いずれも見学のときにその場で聞けます。聞きにくいと感じられる場合は、相談員が代わってお尋ねすることもできます。
置かれている状況によって、優先することは変わります。よくある5つの場面と、進め方の目安をまとめました。
図5状況別の進め方
※表は横にスクロールできます
| 状況 | 進め方の目安 |
|---|---|
| とにかく急いでいる | 空室のある施設から逆に絞ります。条件を全部満たす施設を待つより、まず入れる住まいを確保して、そこから住み替えを考えるほうが結果的に楽なことがあります。退院を迫られたら |
| 認知症の症状がある | 症状の内容を具体的に伝えることが先です。夜間の行動や服薬の管理で受け入れの可否が分かれます。認知症でも入れる老人ホーム |
| 医療的なケアが必要 | 看護師の配置時間から絞ります。同じ「対応可」でも中身に幅があります。医療的ケアが必要でも入れる老人ホーム |
| 予算が心配 | 軽減制度を先に確認します。特養への申し込みと、待つ間の住まいを並行して考えます。年金だけで入れる老人ホームはある? |
| 本人が嫌がっている | 説得より、見学から始めるほうが進みます。ショートステイで短期間過ごしてみるのも方法のひとつです。親が施設入居を拒否したら |
まだ在宅を続けるかどうか迷っておられる段階であれば、在宅介護の限界サインと介護疲れもあわせてご覧ください。介護がはじまったばかりであれば、親の介護が突然始まったらに最初の1週間の動き方をまとめています。
まず要介護認定を受けているかどうかを確かめ、次にどこかひとつの窓口に電話をする、という順です。認定がまだであれば市区町村か地域包括支援センターへ、すでに担当のケアマネジャーがいればその方へ。民間施設を具体的に見たい段階であれば、紹介会社が早道です。条件が固まっていなくても相談は始められます。
早ければ1か月程度、一般的には2〜3か月程度が目安です。ただし地域や時期、ご本人の状態によって大きく変わります。特別養護老人ホームは申し込みから入居までさらに時間がかかることが多く、待つ間の住まいを並行して考えるのが現実的です。
探せます。認定の結果を待つ間も、資料を集めることも見学することもできます。ただし契約の段階では認定が必要になる施設がほとんどですので、申請は早めに進めておくと安心です。要介護認定の申請方法と流れをご覧ください。
体調が許すのであれば、ご一緒のほうが後々うまくいくことが多いと感じています。ご本人が「自分で選んだ」と思えるかどうかで、入居後の落ち着き方が変わるためです。難しい場合は、ご家族が写真や動画を撮って持ち帰る方法もあります。
3〜4件が目安です。それ以上回ると記憶があいまいになり、かえって比べにくくなります。絞る作業そのものが難しいときは、条件を伝えて候補を出してもらうと進みます。
公的な窓口はいずれも無料です。紹介会社も、ご家族が費用をお支払いになることはありません。ご入居が決まった施設から紹介料を受け取る仕組みで運営されています。その前提を含めて、確かめておきたい点を老人ホーム紹介会社の選び方にまとめました。
探せます。電話とメールでのやりとりが中心になりますが、見学だけご家族がまとめて来られる形で進めることもあります。親御さんがお住まいの地域の地域包括支援センターにも、遠方から電話で相談できます。
老人ホーム探しは、情報を集めるところから始めると、かえって迷います。先に「いつまでに」「いくらまで」「どこで」を決める。それだけで、見るべき施設はかなり絞られます。
そして相談先は5つあり、それぞれ得意なことが違います。ひとつに絞らず、状況に応じて使い分けてください。制度のことは公的な窓口が、民間施設の空き状況や見学の手配は紹介会社が得意としています。
期間の目安は2〜3か月程度。急ぐ場合ほど、ひとりで抱えずに早めに誰かへ相談されることをおすすめします。どこから手をつけるかの整理からでも、どうぞお気軽にお声がけください。
この記事の監修者
東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な説明です。紹介料の取り決めや対応範囲は事業者ごとに異なります。実際にご利用になる際は、各社にご確認ください。
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