お問い合わせ 受付時間 10:00〜17:30( 無休 ※年末年始除く)
「病院から退院の話が出たけれど、自宅でみるのは難しい」「がんの末期で、穏やかに過ごせる場所を探している」。そんなときの候補のひとつがホスピス型住宅です。法律上の名前ではなく、医療的ケアが必要な方が、訪問看護や訪問介護を受けながら暮らす住まいの呼び名です。この記事では、入れる方と年齢の条件、訪問看護が医療保険になる条件、月額の目安、2026年の制度の見直し、見学で確かめたいことを、国の資料と東京都の公表データで整理しました。

この記事の要点
目次
ホスピス型住宅とは、末期のがんや神経難病などで医療的ケアが必要な方が、訪問看護や訪問介護を受けながら暮らす住まいの呼び名です。「ホスピス住宅」と呼ばれることもあります。病院のように入院するのではなく、住まいとして契約し、自宅と同じように訪問診療や訪問看護を受けます。
法律や制度に「ホスピス型住宅」という分類はありません。多くは住宅型有料老人ホームとして届け出ていて、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や、介護付き有料老人ホームとして届け出ているところもあります※6。国の調査では、施設の名前やパンフレットで「ホスピスケア(ターミナルケア・緩和ケア)に特化」とうたっているのは、住宅型有料老人ホームの8.9%、サ高住の5.3%でした※1。
図1ホスピス型住宅の3つのしくみ
住まい
多くは住宅型有料老人ホーム。食事や見守りが付いた住まいとして契約します。
医療
訪問診療と訪問看護。国が定める病気の方は、医療保険で週4日以上の訪問も受けられます。
介護
訪問介護などの介護保険のサービス。要介護度ごとの1か月の上限の中で使います。
※体制は住まいごとに違います。訪問看護や訪問介護の事業所が、同じ建物や近くにあることが多くあります。
数は増えています。国の統計はありませんが、民間の調査では、全国に約600か所(2025年4月)、2024年には約100か所が新しく開いたとされます※2。調査ごとに数え方が違うので、目安としてご覧ください。病院の緩和ケア病棟(いわゆるホスピス)とのくらべ方は、ホスピスとはの記事でもくわしくご説明しています。

入居の条件は、住まいごとに決まっています。主に受け入れているのは、末期のがんの方、パーキンソン病関連疾患やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病の方、人工呼吸器を使っている方です。どれも、訪問看護が医療保険になる「国が定める病気や状態」(いわゆる別表第7)に入っています※3。
全部で20の病気と状態が決められています※3。パーキンソン病は、ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上で、生活機能障害度がⅡ度かⅢ度の方が当たります。
胃ろう(経管栄養)、たんの吸引、在宅酸素、中心静脈栄養などの医療的ケアに、どこまで対応できるかは住まいごとに違います。東京都が公表している重要事項説明書には「入居に当たっての留意事項」の欄があり、年齢・要介護度・医療的ケア・看取りの可否が書かれています※6。見学の前にこの欄を見せてもらうと、話が早く進みます。
有料老人ホームには、法律で決まった年齢の制限はありません。年齢は住まいごとの入居の条件で決まり、「65歳以上」としているところもあります。サ高住は、60歳以上の方か、要介護・要支援の認定を受けた60歳未満の方が入れます※10。
介護保険のサービス(訪問介護など)が使えるのは、65歳以上の方と、40〜64歳で末期のがんやパーキンソン病関連疾患などの特定疾病により要介護認定を受けた方です※11。40歳未満の方は介護保険が使えないため、訪問介護などは自費になるか、障害福祉サービスや自治体の助成を使うことになります。横浜市の「若年がん患者の在宅療養支援助成」のように、40歳未満のがんの方への助成を設けている市区もあります※15。医療保険の訪問看護は、年齢に関係なく使えます。
ホスピス型住宅に住む方は、自宅と同じように、訪問診療の医師、訪問看護、訪問介護を組み合わせて受けます。ご家族にとって分かりにくいのが、訪問看護が医療保険になるか、介護保険になるかです。
要介護・要支援の認定を受けた方の訪問看護は、原則として介護保険です。医療保険になるのは、国が定める病気(別表第7)の方と、急に具合が悪くなって主治医が「特別訪問看護指示書」を出した期間(原則として月1回・14日まで)などです※4。
図2訪問看護が医療保険になる方・介護保険になる方
医療保険になる方
介護保険になる方
※精神科の訪問看護など、ほかにも医療保険になる場合があります。どちらになるかは、主治医と訪問看護ステーションが判断します※4。
医療保険の訪問看護は、ふつうは週3日までですが、末期のがんなど国が定める病気の方は週4日以上受けられ、必要に応じて1日に2回、3回の訪問もできます※5。医療保険の訪問看護は介護保険の1か月の上限の枠を使わないので、その枠を訪問介護などに回せます。
訪問介護(食事・排せつ・入浴などの介助)は介護保険で、要介護度ごとの1か月の上限の中で使います。上限を超えた分は全額自己負担です※7。料金は訪問介護の料金と、頼めることの記事でまとめています。
費用は、住まいの費用(家賃・管理費・食費など)、介護保険の自己負担、医療保険の自己負担の3つを足した額です。ホスピス型住宅に限った国の統計はありませんが、目安になる数字が2つあります。
どちらも、介護保険と医療保険の自己負担は含みません。介護と医療を多く使うと、1か月の合計はおおむね次のくらいになります。
図31か月の費用の目安(75歳以上・一般の所得・要介護5の方が、介護保険を上限まで使う場合)
| 住まいの費用 | 約13.5万〜14.4万円(東京都の一覧の真ん中の値〜全国の平均) |
|---|---|
| 介護保険の自己負担(1割) | 約3.6万〜4.1万円(要介護5の上限まで使った場合) |
| 医療保険の自己負担 | 世帯で月61,500円まで(高額療養費。4か月目からは44,400円) |
| 合計の目安 | 約23万〜25万円 |
※おむつ代や日用品などは別にかかります。介護と医療の自己負担は、実際には上限より少ないこともあります。自己負担が2割・3割の方や70歳未満の方は、上限の額が変わります※7※8。
パーキンソン病関連疾患やALSなどの指定難病で医療受給者証をお持ちの方は、訪問看護を含む医療費の自己負担が2割になり、1か月の上限は所得に応じて2,500円〜3万円です(人工呼吸器などを使っている方は1,000円)※9。
生活保護を受けている方も、家賃などが住宅扶助の範囲の住まいなら入れることがあります。訪問診療や訪問看護は医療扶助、訪問介護は介護扶助で受けられます。くわしくはホスピスの費用の「生活保護を受けている場合」でご説明しています。

「ホスピス」は、病院の緩和ケア病棟を指すことが多い言葉です。緩和ケア病棟は医療保険で入院する病棟で、対象は国の決まりで悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群・末期腎不全の方です。ホスピス型住宅は住まいなので、受け入れる病気は住まいごとに決まり、神経難病の方も入れます。
※表は横にスクロールできます
| ホスピス型住宅 | 病院の緩和ケア病棟 | |
|---|---|---|
| 何か | 住まい(多くは住宅型有料老人ホーム) | 病院の病棟(医療保険の入院) |
| 対象 | 住まいごと。末期のがん・神経難病の方など | 悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群・末期腎不全の方 |
| 医療と看護 | 訪問診療・訪問看護。夜の体制は住まいごと | 医師と看護師が病棟にいる |
| 介護 | 訪問介護など(介護保険) | 病棟の職員が行う |
| 費用 | 住まいの費用+介護保険と医療保険の自己負担 | 入院料の1〜3割と食費。個室は差額ベッド代も |
| いられる期間 | 期間の決まりはない(契約の退去の条件は確かめる) | 病状が落ち着くと、退院を相談されることがある |
※国の制度と一般的な形で整理しています。緩和ケア病棟の費用や入院の流れはホスピスとはの記事でご説明しています。
自宅で訪問看護を受ける場合と、保険のしくみは同じです。違いは、住まいの費用がかかること、職員が建物にいてご家族の介護の負担が軽くなること、同じ建物に住む人数によって訪問看護の料金の区分が変わることです※5。
ホスピス型住宅が増えるなかで、2024年ごろから、一部の住まいで、入居者の状態にかかわらず訪問看護の回数を一律に決めていた例や、実際と違う請求が報じられました。国は2024年10月、利用者の個別の状況を踏まえずに一律に訪問看護の日数などを決めることは認められないと周知しています※12。
図42026年の2つの見直し
2026年6月から:訪問看護の料金のしくみ
同じ建物に住む方への訪問看護は、人数と日数で料金が細かく分かれ、20分未満の訪問は算定できなくなりました(30分以上が標準)。同じ敷地の建物も同じ建物として数えます。1日ごとの定額の「包括型訪問看護療養費」(1日5,960〜15,510円)ができ、使うには利用者への説明と同意が必要です。記録には訪問の開始と終了の時刻を書きます※5。
2027年12月(予定):有料老人ホームの登録制
2026年6月の法改正で、介護が重い方などを受け入れる有料老人ホームは都道府県の登録制になります。国は2027年12月の開始を予定していて(法律上は公布から2年以内)、対象に「一定の医療ニーズのある要介護の方」を受け入れるホームも入れる案です。併設の訪問看護などの利用を契約の条件にすることは、不当な条件とする案が示されています※13。
包括型訪問看護療養費は、届け出た建物に住む、国が定める病気の方などが対象です。使う住まいでは、事前に説明があり、同意して決めます※5。見直しのあとも、住まいごとの体制や考え方には違いがあります。次の7つを、見学と契約の前に確かめておくと安心です。

図5見学と契約の前に確かめたい7つのこと
とくに1つ目は、ご家族が見落としやすいところです。訪問診療の医師への調査では、ホスピス型住宅に診療に行く医師の85.9%が「原則として外部の訪問看護ステーションを利用できない」と答えています(2025年)※14。今の主治医や訪問看護を続けたい場合は、早めに確かめておくと安心です。見学のときの質問は、老人ホーム見学のチェックリストにもまとめています。
医療的ケアのある方の住まいも、一緒に探します
「退院の日が近いのに、受け入れてくれる住まいが見つからない」——住まいるの相談員は、病名や医療的ケアの内容をうかがったうえで、ホスピス型住宅や介護付き有料老人ホームなど、対応できる住まいを地域でお探しします。ご相談・見学同行は何度でも無料です。
実際にご相談いただいた方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
末期のがんや、パーキンソン病関連疾患・ALSなどの神経難病で医療的ケアが必要な方が、訪問看護や訪問介護を受けながら暮らす住まいの呼び名です。法律上の分類ではなく、多くは住宅型有料老人ホームとして届け出ています。病院のように入院するのではなく、住まいとして契約します。
有料老人ホームには、法律で決まった年齢の制限はありません。年齢は住まいごとの入居の条件で決まり、重要事項説明書で確かめられます。サ高住は、60歳以上の方か、要介護・要支援の認定を受けた60歳未満の方が入れます。なお、介護保険が使えるのは65歳以上の方と、40〜64歳で末期のがんなどの特定疾病により認定を受けた方です。
住まいの費用は、東京都が公表する一覧で名前に「ホスピス」を含む住宅型29か所の月額利用料が11.4万〜19.5万円(真ん中の値は約13.5万円・2026年8月1日現在)でした。これに介護保険と医療保険の自己負担がかかります。75歳以上・一般の所得・要介護5の方が介護保険を上限まで使うと、合計は月約23万〜25万円が目安です。
泊まりや付き添いの決まりは法律になく、住まいごとに違います。見学のときに、面会の時間、泊まれる部屋があるか、その費用を確かめておくと安心です。サ高住では、配偶者や60歳以上の親族などとの同居が認められていますが、2人で住める部屋があるかは住まいによります。
看取りまで対応している住まいが多くあります。ただ、入院が長引いたときや状態が変わったときの扱いは、契約の退去の条件によって違います。重要事項説明書の看取りの欄と、退去になる条件を、契約の前に確かめておくと安心です。
緩和ケア病棟は医療保険で入院する病院の病棟で、対象は悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群・末期腎不全の方です。ホスピス型住宅は住まいなので、病気の決まりは住まいごとで、神経難病の方も入れます。医療は訪問診療と訪問看護で受け、費用は住まいの費用に介護保険と医療保険の自己負担を足した額です。
入れる住まいがあります。パーキンソン病関連疾患(一定の重さ以上)、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症などは、訪問看護が医療保険になる「国が定める病気」に入っていて、ホスピス型住宅が主に受け入れている病気です。受け入れる病気は住まいごとに違うので、面談で確かめます。
末期のがんなど国が定める病気の方は、医療保険で週4日以上の訪問看護が受けられ、必要に応じて1日に2回、3回の訪問もできます。回数や時間は、主治医の指示とご本人の状態に合わせて決めることになっていて、利用者の状態にかかわらず一律に決めることは認められていません。
かからない住まいが多くあります。東京都が公表する一覧では、名前に「ホスピス」を含む住宅型29か所とも前払金は0円でした(2026年8月1日現在)。ただ、敷金や入居の準備のための費用がかかる住まいはあります。
住まいによって違います。併設の訪問看護を勧められることが多く、訪問診療の医師への調査では、ホスピス型住宅の多くで外部の訪問看護を原則として使えないという回答でした。今の主治医や訪問看護を続けたい場合は、見学と契約の前に確かめておくと安心です。
家賃などが住宅扶助の範囲の住まいなら、入れることがあります。訪問診療や訪問看護は医療扶助、訪問介護は介護扶助で受けられます。入れる住まいは地域によって違うので、福祉事務所のケースワーカーにも相談しながら探します。
ホスピス型住宅は、病院でも自宅でもない、もうひとつの過ごし方です。ご本人の病気と、ご家族が大切にしたいことに合う住まいを、相談員がご一緒に探します。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづく一般的な説明です。受け入れる病気や医療的ケア、夜間の体制、看取り、費用、退去の条件は住まいごとに異なります。掲載の費用は、東京都が公表する一覧の代表的な料金と民間の集計による目安です。
お一人おひとりの様々なニーズに合った
老人ホームをご紹介します。
お気軽にご相談ください。
ケアマネジャー・医療ソーシャルワーカー(MSW)・金融機関の皆さまへ
担当されている方・お客様の住まいのご相談、退院先の調整を承ります。ご相談は無料・1件からお受けしています。