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「健康寿命って何歳のこと?」「平均寿命との差の年数は、介護が必要な期間なの?」。健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されずに暮らせる期間のことです。この記事では、最新の健康寿命と平均寿命との差の中身、介護が必要になる主な原因、健康寿命をのばすためにできること、そして親が元気なうちに家族が備えておきたいことを、国の資料をもとにまとめました。

この記事の要点
目次
健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。国の健康づくりの計画「健康日本21(第三次)」(2024〜2035年度)でこう定められ、健康寿命をのばすことが計画の最終的な目標に置かれています※1。
国が公表している健康寿命は、正式には「日常生活に制限のない期間の平均」といいます。3年ごとに行う大きな国民生活基礎調査で、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」とたずね、「ない」と答えた人を健康として、年齢ごとの健康な人の割合と、年齢ごとの死亡率から計算します※2。国の研究班が算出し、厚生労働省が公表しています※4。
図1健康寿命と平均寿命の関係
平均寿命
生まれた人が、平均して何年生きられるか。毎年公表されます。
健康寿命
そのうち、健康上の問題で日常生活が制限されずに暮らせる期間。3年ごとに計算されます。
平均寿命と健康寿命の差
日常生活に何らかの制限がある期間。外出や運動が少し制限される程度も含みます。
※健康日本21(第三次)の基本的な方針と、研究班の算定方法による整理です※1※2。
健康寿命は、生まれたばかりの赤ちゃんが平均して何年、日常生活に制限なく暮らせるかを表す全員の平均です。「72歳を過ぎると健康でなくなる」という意味ではありません。たとえば、研究班が出している別の物差しでは、65歳の人が介護保険の要介護2以上にならずに暮らせる期間の平均は、男性17.95年、女性21.14年でした(2022年)※3。
最新の健康寿命は、2022年(令和4年)の男性72.57年、女性75.45年です。同じ年の平均寿命は男性81.05年、女性87.09年でした※4。
図2健康寿命と平均寿命(2022年)
※厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」によります※4。棒の右端は90年です。健康寿命は推計の値のため、足し算すると平均寿命と0.01年ずれることがあります。
健康寿命は3年ごとに計算されます。次の2025年(令和7年)の値は、2025年の国民生活基礎調査(2026年7月に結果を公表)をもとに、研究班が2026年度に計算する予定としていて※5※6、2026年10月時点ではまだ公表されていません。なお、平均寿命は毎年公表されていて、2025年は男性81.35年、女性87.33年でした※7。健康寿命と比べるときは、同じ2022年の値どうしで比べます。
2022年の都道府県別の値では、東京都は男性72.23年・女性75.41年、神奈川県は男性73.28年・女性74.71年でした※3。健康寿命は調査から推計した値で誤差があり、国も、数値を比べるときは誤差の幅(95%信頼区間)も考えるよう注意しています※4。東京都・神奈川県とも、誤差の幅は全国の値の幅と重なっていて、順位だけで良し悪しを決めることはできません※3。
平均寿命と健康寿命の差は、2022年で男性8.49年、女性11.63年です※4。正式には「日常生活に制限のある期間の平均」で、健康上の問題で、日常生活に何らかの影響がある期間にあたります。女性は平均寿命が長いぶん、差も長くなっています。
この差は、寝たきりや介護が必要な期間のことではありません。健康寿命の物差しは「健康上の問題で日常生活に何か影響があるか」なので、外出や運動、仕事が少し制限される程度の人も含まれます※2。研究班は、物差しを変えた値も出しています※3。
図3物差しで変わる「日常生活に支えが要る期間」(2022年)
日常生活に何か影響がある
男性8.49年・女性11.63年
健康寿命の主な物差し。外出や運動が少し制限される程度も含みます。
自分の健康を「よくない」と感じる
男性7.84年・女性9.98年
健康状態を「あまりよくない」「よくない」と答えた人の割合から計算します。
要介護2以上
男性1.38年・女性3.03年
介護保険で要介護2〜5の認定を受けている状態の期間です。
※厚生労働科学研究の研究班が算出した、生まれた人全員の平均です(0歳から)※3。介護がまったく必要にならない人も含めた平均なので、一人ひとりの期間ではありません。
介護保険で要介護2以上になる期間で数えると、平均は男性約1.4年、女性約3年です。ただ、これは全員の平均で、介護が長く続く方もいれば、ほとんど必要にならない方もいます。家族の介護を経験した人への調査では、介護をした期間の平均は4年7か月で、4年を超えた人が約4割でした※16。
健康寿命は、2001年の男性69.40年・女性72.65年から、2022年の男性72.57年・女性75.45年まで、長い目で見ると伸びています※4。
| 年 | 健康寿命 | 平均寿命 |
|---|---|---|
| 2001年 | 男性 69.40年 女性 72.65年 | 男性 78.07年 女性 84.93年 |
| 2004年 | 男性 69.47年 女性 72.69年 | 男性 78.64年 女性 85.59年 |
| 2007年 | 男性 70.33年 女性 73.36年 | 男性 79.19年 女性 85.99年 |
| 2010年 | 男性 70.42年 女性 73.62年 | 男性 79.55年 女性 86.30年 |
| 2013年 | 男性 71.19年 女性 74.21年 | 男性 80.21年 女性 86.61年 |
| 2016年 | 男性 72.14年 女性 74.79年 | 男性 80.98年 女性 87.14年 |
| 2019年 | 男性 72.68年 女性 75.38年 | 男性 81.41年 女性 87.45年 |
| 2022年 | 男性 72.57年 女性 75.45年 | 男性 81.05年 女性 87.09年 |
※厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」の推移によります※4。平均寿命は簡易生命表(2010年は完全生命表)です。
平均寿命と健康寿命の差は、2010年から男女とも少しずつ縮む傾向にあります※8。ただ、研究班は、2022年の健康寿命と差の動きには、新型コロナウイルス感染症の流行で死亡率が上がった影響が強く関わっているとみていて、解釈には十分な慎重さが求められるとしています※3。
健康日本21(第三次)は、健康寿命について「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」を目標にしています(2032年度)※1。つまり、平均寿命と健康寿命の差を縮めることをめざしています。2019年にまとめた「健康寿命延伸プラン」では、2040年までに健康寿命を男女とも2016年より3年以上のばし、75歳以上にすることを目標に掲げています※9。
2025年の国民生活基礎調査で、介護保険の要支援・要介護の認定を受けて家で暮らす方に、介護が必要になった主な原因をたずねた結果は次のとおりです※5。
図4介護が必要になった主な原因(2025年調査・上位6つ)
※厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によります※5※18。家で暮らす要支援・要介護の方が対象で、施設に入所している方は含みません。
要支援の方では「高齢による衰弱」(17.7%)、要介護の方では「認知症」(23.6%)が最も多くなっています※5。2022年の調査では2位が「脳血管疾患(脳卒中)」(16.1%)でしたが、2025年の調査では「高齢による衰弱」が2位になりました。
病気やけがのように急に起きる原因だけでなく、年をとって少しずつ衰えていくことも、介護の入口になりやすいことがうかがえます。介護が必要になる手前の段階で、体や心のはたらき、社会とのつながりが弱くなった状態をフレイルといい、早めに気づいて食事や体を動かすこと、人との交流を見直すことが勧められています。認知症の方の住まいの選び方は、認知症でも入れる老人ホームの選び方でまとめています。
年齢別に見ると、介護保険の要支援・要介護の認定を受けている人の割合は、75歳を過ぎたころから大きく上がります※10。
図5年齢別の要介護(要支援)認定率
※2024年9月末の認定者数(介護保険事業状況報告)と2024年10月1日の人口から作った国の資料によります※10。要支援1・2を含みます。棒の右端は100%です。
85〜89歳では約2人に1人、90歳以上では約4人に3人が認定を受けています。75歳以上全体では30.8%、65歳以上全体では19.5%でした※10。親が75歳を過ぎたころから、少しずつ備えを始めておくと、いざというときに慌てずに済みます。

国は「健康寿命をのばそう!」をスローガンに、適度な運動、適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診、良質な睡眠などを呼びかけています※1。高齢の方にとって特に大切なのは、次の3つです。
図6健康寿命をのばすための3つの柱
体を動かす
今より少しでも多く。歩く程度の活動を1日40分以上(約6,000歩)が目安で、届かなくても少しずつ。
食べる・口の健康
バランスのよい食事を3食しっかり。固いものが食べにくい、むせるといった口の変化にも気を配ります。
人とつながる
趣味や地域の集まり、家族や友人との食事。外に出て人と話す機会を保ちます。
※厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の高齢者向けの推奨と、フレイル予防の3つの柱(栄養・身体活動・社会参加)による整理です※11。持病のある方は、運動の内容をかかりつけ医に相談してから始めると安心です。
体を動かすことについて、国のガイドは、高齢の方に筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動を週3日以上行うことも勧めています。体の機能が落ちている方は、転倒に注意して、無理のない範囲で取り組みます※11。食事・口の健康・人とのつながりの3つは、介護が必要になる手前の「フレイル」の予防の柱と同じです。くわしくはフレイルとはでまとめています。
市区町村には、体操や趣味の活動、茶話会などを住民どうしで行う「通いの場」があり、全国で16万か所を超えます(2024年度)※12。どこにあるかは、親が住む地域の地域包括支援センターで聞くことができます。

平均寿命と健康寿命の差の期間に、どんな支えが要るかは人によって違います。それでも、親が元気なうちに確かめておくと、いざというときに迷いにくくなることがあります。
図7親が元気なうちに、家族で確かめておきたいこと
※住まいるの相談の経験と、国や公的な機関の資料による整理です※13※14※15※16。
地域包括支援センターは、高齢の方と家族のための相談窓口で、すべての市区町村にあり、全国に5,487か所あります(2025年4月末)※13。介護保険の申請の手伝い、介護予防、暮らしの困りごとの相談などを受けています。親と離れて暮らしている場合は、親が住む地域のセンターに相談します。くわしくは地域包括支援センター(包括)とはをご覧ください。
東京消防庁のまとめでは、2024年に日常生活の事故で救急搬送された高齢の方のうち、最も多いのは「ころぶ」事故で、起きた場所は住宅が最も多く、その9割以上が家の中でした。ころんで運ばれた方の約4割は、入院が必要な程度と診断されています※14。手すりの取り付けや段差の解消は、介護保険の認定を受けると住宅改修の対象になります(介護保険の住宅改修)。
入浴中の事故にも注意が要ります。2024年に浴槽で溺れて亡くなった方は7,776人で、約95%が65歳以上でした※15。消費者庁は、暖かい部屋と寒い脱衣所や浴室との温度差による急な血圧の変動などを原因に挙げ、入浴の前に脱衣所や浴室を暖めておくこと、お湯の温度は熱すぎないようにして長くつかりすぎないこと、家族は入浴中にこまめに声をかけることを呼びかけています※15。
生命保険文化センターの調査(2024年度)では、家族の介護をした期間の平均は55.0か月(4年7か月)、月々の費用の平均は9.0万円、住宅の改修や介護用のベッドの購入などの一時的な費用の平均は約47万円でした※16。在宅か施設か、介護の必要度によって大きく変わります。在宅と施設の費用のちがいは、介護費用の平均はいくらかでまとめています。
内閣府の調査では、65歳以上の方に、将来介護が必要になったときの不安をたずねると、「家族に肉体的・精神的負担をかけること」(65.6%)が最も多くなっていました※17。親も、家族に負担をかけることを気にかけています。元気なうちに、介護が必要になったらどこで暮らしたいか、ゆっくり話しておくと、親の希望に沿った選択がしやすくなります。
住まいには、元気なうちから入れて安否確認や生活相談のあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や、介護が必要になってから入る有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどがあります。種類と費用のちがいは、老人ホーム・高齢者施設の種類一覧でご覧いただけます。
親が元気なうちから、これからの住まいを一緒に考えます
「今は元気だけれど、この先が心配」「介護が必要になったら、どこで暮らすかを話し合っておきたい」——住まいるの相談員は、親御さんの暮らしぶりやご家族の状況をうかがいながら、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で、元気なうちから入れる住まいや、介護が必要になってからの老人ホームを一緒にお探しします。ご相談は何度でも無料です。
実際にご相談いただいた方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
健康上の問題で、日常生活が制限されることなく暮らせる期間のことです。国の健康づくりの計画「健康日本21(第三次)」でこう定められ、健康寿命をのばすことが計画の最終的な目標になっています。
最新の値は2022年の男性72.57年、女性75.45年です。2025年の値は、2025年の国民生活基礎調査をもとに、これから計算される予定で、2026年10月時点ではまだ公表されていません。
平均寿命は、生まれた人が平均して何年生きられるかを表します。健康寿命は、そのうち健康上の問題で日常生活が制限されずに暮らせる期間です。平均寿命から健康寿命を引いた期間が、日常生活に何らかの制限がある期間にあたります。
2022年で男性8.49年、女性11.63年です。女性のほうが平均寿命が長いぶん、差も長くなっています。
いいえ。差は「日常生活に何か影響がある」期間の平均で、外出や運動が少し制限される程度の人も含みます。介護保険で要介護2以上になる期間で数えると、平均は男性1.38年、女性3.03年です。どれも全員の平均なので、介護が長く続く方も、ほとんど必要にならない方もいます。
3年ごとの国民生活基礎調査で「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」とたずね、「ない」と答えた人の年齢ごとの割合と、年齢ごとの死亡率を組み合わせて計算します。国の研究班が算出し、厚生労働省が公表しています。
2025年の国民生活基礎調査の結果は2026年7月に公表され、研究班が2026年度に2025年の値を計算する予定としています。公表の時期は、2026年10月時点では発表されていません。これまでの2回は、調査の翌々年の12月に公表されました。
長い目で見ると伸びています。2001年は男性69.40年、女性72.65年でしたが、2022年は男性72.57年、女性75.45年でした。平均寿命との差も2010年から少しずつ縮む傾向ですが、2022年の縮みには新型コロナウイルス感染症の流行の影響が強いとみられていて、慎重に見る必要があります。
2022年の値は、東京都が男性72.23年・女性75.41年、神奈川県が男性73.28年・女性74.71年です。健康寿命は推計の値で誤差があるため、国も、比べるときは誤差の幅を考えるよう注意しています。
2025年の国の調査では、多い順に「認知症」(16.7%)、「高齢による衰弱」(15.6%)、「骨折・転倒」(14.6%)でした。要支援の方では高齢による衰弱、要介護の方では認知症が最も多くなっています。
国は、今より少しでも多く体を動かすこと、バランスのよい食事と口の健康、人とのつながり、健診・検診の受診、よい睡眠などを呼びかけています。年をとって体や心のはたらきが弱くなる「フレイル」の予防とも重なります。持病のある方は、運動の内容をかかりつけ医に相談してから始めると安心です。
家族の介護を経験した人への調査では、介護の期間の平均は55.0か月(4年7か月)、月々の費用の平均は9.0万円、住宅の改修などの一時的な費用の平均は約47万円でした。在宅か施設か、介護の必要度によって大きく変わります。
健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されずに暮らせる期間です。最新の2022年の値は男性72.57年・女性75.45年で、平均寿命との差は男性8.49年・女性11.63年ですが、この差はずっと介護が必要な期間ではなく、要介護2以上で数えると平均は男性約1.4年・女性約3年です。
介護が必要になる主な原因は、認知症・高齢による衰弱・骨折や転倒で、認定を受ける人は75歳を過ぎてから増えていきます。体を動かす・食べる・人とつながることで健康寿命をのばしながら、相談先、家の中の安全、お金、住まいの希望を、親が元気なうちに家族で確かめておくと安心です。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は、2026年10月時点の公的な資料にもとづいて、介護の相談の立場からまとめたものです。健康寿命の2025年の値は公表されたら差し替えます。体の状態の判断や治療については、かかりつけ医にご相談ください。
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