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「急性期の病院から、療養型病院に移りましょうと言われた」「何か月いられるの?費用は?」。療養型病院は、長く療養が必要な方が入院する病院です。この記事では、入院できる人と医療区分、入院できる期間、2026年の改定後の額で計算した1か月の費用、転院の流れ、介護医療院・老健・特養との違い、見学で確かめたいことを、図と表で整理しました。

この記事の要点
目次
療養型病院は、医療法で「療養病床」と呼ばれる病床がある病院のことです。医療法では、療養病床を「主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるため」の病床と定めています※1。「療養型病院」は法律の名前ではなく通称で、診療報酬では「療養病棟」と呼びます。「療養病院」「長期療養型病院」と呼ばれることもあります。
図1療養型病院のしくみ
どんな病院か
急性期の治療を終えたあとも、医療的な管理が長く続く方が入院します。医療保険の入院です。
入院できる人
医療の必要度が高い方(医療区分2・3)が中心。入院できるかは病院の医師が判断します。
入院できる期間
法律の上限はありません。平均の入院日数は約4か月です(2025年)。
※医療法・診療報酬の決まりと、国の統計による整理です※1※3※6。
療養病床の病室は1室4床以下で、患者1人あたりの床面積は6.4㎡以上と決められています※2。全国の病院の療養病床は264,656床(2025年10月1日)で、病院の約4割(41.1%)が療養病床を持っています※3。
「慢性期病院」も近い意味で使われますが、法律の言葉ではありません。病院が国に報告する病棟の機能の「慢性期機能」(長く療養が必要な患者を入院させる機能)からきた呼び方で、療養病棟のほか、重い障害のある方の病棟なども含む、少し広い呼び方です※16。
以前は、介護保険で入院する療養病床(介護療養型医療施設・介護療養病床)もありましたが、2024年3月31日で廃止されました。多くは、2018年に創設された介護医療院に移っています※4。いまの療養型病院は、医療保険の療養病床です。

療養病棟では、患者さんの医療の必要度を「医療区分」(1〜3)で、日常の動作にどのくらい手助けが要るかを「ADL区分」(1〜3)で判定し、その組み合わせで入院料が決まります(全部で30区分)※5※6。
図2医療区分の例
医療区分3
人工呼吸器を使っている、24時間続ける点滴、一定の病気などでの中心静脈栄養、密度の高い酸素療法、医師や看護師が常に見守る必要がある状態など。
医療区分2
1日8回以上のたんの吸引、褥瘡(床ずれ)の治療、肺炎や尿路感染症の治療、人工透析、パーキンソン病関連疾患などの難病、気管切開の管理など。
医療区分1
医療区分2・3に当たらない方。状態が落ち着いていて、医療より介護の必要度が高い方などです。
※国の告示(基本診療料の施設基準等)の状態を、分かりやすい言葉に直した例です※6。病気や処置ごとに細かい条件があり、区分は病院が日ごとに判定します。2026年6月からは、心不全などで医療用の麻薬などによる苦痛の緩和が必要な状態も医療区分2に加わりました※7。
ADL区分は、ベッドの上での動き・乗り移り・食事・トイレの4つの動作を、それぞれ0(自立)〜6(全面的な手助け)で評価して決めます※6。
病棟には、入院患者のうち医療区分2・3の方の割合の基準があり、療養病棟入院料1は8割以上、入院料2は6割以上です(入院料2は2026年6月の改定で5割から引き上げられ、2026年10月から6割が必須)※6※7。入院に年齢や要介護認定の決まりはなく、入院できるかは、医療の必要度をみて受け入れる病院の医師が判断します。
医療区分1の方も入院できることはありますが、病院によっては受け入れが難しいことがあります。病棟の割合の基準に加えて、医療区分1の入院料は、最も高い区分(1日2,035点)のおよそ半分だからです※5。医療より介護の必要度が高い方は、介護医療院や老健、医療的ケアに対応できる老人ホームなども候補になります。
療養病棟には、法律や診療報酬で決まった入院日数の上限はありません。国の統計では、療養病床の平均の入院日数は114.7日(約4か月)で、一般の病床の15.3日の7倍以上でした(2025年)※3。
図3病院の病棟ごとの入院できる期間
療養病棟(療養型病院)
上限なし。平均114.7日(2025年)。
回復期リハビリテーション病棟
病気やけがによって60〜180日が上限。
地域包括ケア病棟
移った日から60日が上限。
※診療報酬の算定方法と、令和7年医療施設(動態)調査・病院報告によります※3※5。くわしくは回復期リハビリテーション病棟とは・地域包括ケア病棟とはをご覧ください。
上限はなくても、ずっと入院できるとは限りません。医療区分は日ごとに判定され、病院は少なくとも月に1回、患者さんの状態を評価して入院の計画を見直す決まりです※5。状態が落ち着いて医療区分1になると、介護医療院や老人ホーム、自宅などへの退院・転院を相談されることがあります。退院の話が出たときの進め方は、退院を迫られたらでまとめています。

療養型病院の費用は、医療費(入院料など)に、食費と居住費、保険が効かないおむつ代や日用品などが加わる形です。医療保険の入院なので、窓口で払う医療費は1〜3割で、高額療養費の1か月の上限があります※9。
療養病床に入院する65歳以上の方は、食費と居住費(光熱水費)を払います。2026年6月1日からの額は次のとおりです※8。
| 所得の区分 | 食費(1食) | 居住費(1日) |
|---|---|---|
| 一般 | 550円 | 430円 |
| 住民税非課税 | 270円 | 430円 |
| 住民税非課税で、所得が一定以下 | 160円 | 430円 |
※療養病床に入院する65歳以上の方の額です(入院時生活療養の標準負担額・2026年6月1日から)※8。人工呼吸器や中心静脈栄養が必要な方など、入院医療の必要性が高い方や、指定難病の方は額がちがうことがあります。管理栄養士などがいない一部の病院では、一般の食費が1食510円です。
これに医療費の上限を加えると、1か月(30日)の目安は次のようになります。入院が長い方は、医療費の上限に届く月が多くなります。
図41か月入院したときの費用の目安(70歳以上・医療費+食費・居住費)
※2026年8月からの高額療養費の上限と、2026年6月からの食費・居住費で、同じ月に30日入院した場合の試算です※8※9。医療区分が低く、医療費が上限に届かない場合はもっと少なくなります。おむつ代・日用品・個室の費用などは含みません。
75歳以上の方の医療費の自己負担は1割(一定以上の所得がある方は2割、現役並みの所得の方は3割)、70〜74歳は2割です※9。一般の所得の方は、1割でも2割でも、1か月の上限は61,500円です。くわしくは高額療養費制度とはでまとめています。
療養型病院には、急性期の病院などから転院して入院する方が多くいます。病院には、入院や退院、転院の相談にのる医療ソーシャルワーカーがいます。療養の場が変わるときの暮らしやお金の心配に早めに対応することは、国の業務指針でも、医療ソーシャルワーカーの業務として示されています※11。
図5急性期の病院から療養型病院への転院の流れ
※病院の案内による一般的な流れです。必要な書類や面談の有無は、病院によって違います。
空きを待つあいだに今の病院の退院の日が近づくこともあるので、候補は1つにしぼらず、早めに複数の病院に相談しておくと安心です。自宅や介護施設も行き先の候補になるときは、要介護認定の申請も並行して進めておくと、選べる行き先が広がります(要介護認定とは)。
※表は横にスクロールできます
| 療養型病院 | 介護医療院 | 老健 (介護老人保健施設) | 特養 (特別養護老人ホーム) | |
|---|---|---|---|---|
| 保険 | 医療保険 | 介護保険 | 介護保険 | 介護保険 |
| 目的 | 長く療養が必要な方の入院 | 医療的な管理と介護を受けながら長く暮らす生活の場 | 自宅に戻るためのリハビリと介護 | 常に介護が必要な方の暮らしの場 |
| 入れる方 | 医療の必要度が高い方が中心(年齢・要介護認定の決まりはない) | 要介護1〜5 | 要介護1〜5 | 原則要介護3以上 |
| 期間 | 上限なし (平均114.7日) | 上限の決まりはない | 自宅に戻れるかを定期的に検討 | 上限の決まりはない |
| 食費・居住費 | 全国一律の額(65歳以上) 食費1食550円 居住費1日430円 | 施設との契約 (国の基準の額は食費1日1,545円など) | 施設との契約(同じ) | 施設との契約(同じ) |
※医療法・診療報酬の決まり、介護保険法と各施設の基準、介護サービス情報公表システム、介護保険最新情報(2026年8月からの基準費用額)によります※1※3※12※13。
一概には言えません。食費と居住費だけを1日あたりで比べると、療養型病院(65歳以上・一般の所得)は2,080円、介護医療院の多床室(室料を払わない場合)は国の基準の額で1,982円で、大きな差はありません※8※12。実際の負担は、医療費(高額療養費)か介護サービス費(高額介護サービス費)か、所得による軽減(介護保険施設は負担限度額認定)、おむつ代などの扱いで変わります。介護医療院について、くわしくは介護医療院とはをご覧ください。
療養型病院は長く入院する病院のため、病状によっては、退院せずに入院を続けながら最期の時期を過ごすこともあります。どこまで治療を続けるかは、本人の希望を大切にしながら、医師や看護師と家族が話し合って決めていきます。国のガイドラインでも、本人と医療・ケアの担当者がくり返し話し合い、本人が意思を示せないときは、家族と一緒に本人にとっていちばんよい方針を考えることが示されています※14。
本人が元気なうちに、受けたい医療やケアについて家族と話しておくことを「人生会議」といいます。話し合っておきたいことは、終活とはでまとめています。療養型病院以外で最期まで過ごせる場所の選び方は、看取りまで住み続けられる施設の見分け方をご覧ください。
図6見学や相談で確かめたいこと
※2026年6月から、身体的拘束を減らす体制を届け出た病院は、身体的拘束の実施状況を院内とウェブサイトに掲載することになりました※15(届け出ていない病院もあります)。
医療の必要度がそれほど高くない方や、状態が落ち着いた方は、療養型病院のほかに、医師や看護師が手厚い介護医療院や、医療的ケアに対応できる老人ホームも候補になります。老人ホームで受けられる医療的ケアの範囲は、医療的ケアが必要でも入れる老人ホームでまとめています。
医療的ケアが必要な方の、これからの住まいを一緒に考えます
「療養型病院に移るか、施設を探すか迷っている」「たんの吸引や点滴に対応できる老人ホームを知りたい」——住まいるの相談員は、病院の相談窓口やケアマネジャーとも連絡を取りながら、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で、医療的ケアに対応できる老人ホームを一緒にお探しします。入院中のご相談も、何度でも無料です。
実際にご相談いただいた方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
長く療養が必要な方が入院する病院(病棟)のことです。医療法で「療養病床」と呼ばれる病床で、急性期の治療を終えたあとも、たんの吸引や点滴などの医療的な管理が続く方が、医師や看護師のもとで入院を続けます。医療保険の入院です。
同じものを指すことがほとんどです。医療法の名前は「療養病床」、診療報酬では「療養病棟」と呼び、「療養型病院」は療養病床がある病院の呼び方です。「慢性期病院」も近い意味で使われますが、障害者病棟などを含む、少し広い呼び方です。
医療の必要度が高い方が中心です。国の決まりで、病棟の入院患者のうち、医療区分2・3の方が8割以上(入院料1)または6割以上(入院料2)になるよう求められています。年齢や要介護認定の決まりはなく、入院できるかは病院の医師が判断します。
療養病棟で、患者さんの医療の必要度を3段階に分けたものです。人工呼吸器や24時間続ける点滴などは医療区分3、1日8回以上のたんの吸引や褥瘡(床ずれ)の治療、肺炎の治療などは医療区分2、どちらにも当たらない方は医療区分1です。区分は病院が日ごとに判定します。
入院できることもありますが、病院によっては難しいことがあります。病棟には医療区分2・3の方の割合の基準があり、医療区分1の入院料は最も高い区分のおよそ半分のためです。受け入れの方針は病院ごとに違うので、相談窓口に確かめてみてください。
法律で決まった上限はありません。国の統計では、療養病床の平均の入院日数は114.7日(約4か月)でした(2025年)。ただ、状態が落ち着いて医療の必要度が下がると、退院や転院を相談されることがあります。
70歳以上・一般の所得の方なら、医療費の上限(月61,500円)に食費と居住費を加えた約12.4万円が、30日の目安です(2026年8月からの額)。住民税非課税の方は約6.3万円、所得が一定以下の方は約4.3万円です。おむつ代や日用品、個室の費用は別にかかります。
療養病床に入院する65歳以上の方は、2026年6月1日から食費が1食550円、居住費(光熱水費)が1日430円です(一般の所得の方)。住民税非課税の方は食費が1食270円になります。食費と居住費は、高額療養費の対象になりません。
おむつ代や病衣、日用品のセットなどは保険が効かず、病院ごとに料金が決まっています。病院は内容と料金を掲示し、文書で同意を得ることになっています。月に数万円かかることもあるので、入院前に確かめておくと安心です。
療養型病院は医療保険の病院で、医療の必要度が高い方の入院が中心です。介護医療院は介護保険の施設で、要介護1〜5の方が、医療的な管理と介護を受けながら長く暮らす「生活の場」です。介護医療院を使うには要介護認定が必要です。
介護保険で入院できた療養病床のことで、2024年3月31日に廃止されました。多くは2018年に創設された介護医療院に移っています。いまの療養型病院は、医療保険の療養病床です。
入院中の病院の主治医と、医療ソーシャルワーカー(地域連携室や医療福祉相談室)に相談します。候補の病院を一緒に考え、紹介状などの書類の準備や、受け入れの相談を進めてもらえます。
療養型病院は、医療法の療養病床がある病院で、長く療養が必要な方が入院する病院です。医療の必要度が高い医療区分2・3の方が中心で、入院できる期間に上限はなく、平均の入院日数は約4か月です。費用は、70歳以上・一般の所得の方なら1か月約12.4万円が目安で、おむつ代や日用品などが別にかかります。
状態が落ち着くと、退院や転院を相談されることもあります。療養型病院だけでなく、介護医療院や医療的ケアに対応できる老人ホームも含めて、体の状態と費用に合う行き先を、入院中から早めに相談しておくと安心です。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事の内容は、2026年10月時点の情報にもとづいています。食費・居住費は2026年6月1日から、高額療養費は2026年8月〜2027年7月の額で、病院ごとの加算や保険外の費用、医療区分などにより変わります。入院できるかどうかや入院の期間は病院の医師が判断しますので、くわしくは入院中の病院の相談窓口にご確認ください。
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