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特養(特別養護老人ホーム)と老健(介護老人保健施設)は、どちらも介護保険で入る公的な施設ですが、役割がまったく違います。特養は長く暮らす住まい、老健は家に戻るためのリハビリの場です。入れる条件、入れる期間、費用、医療とリハビリ、空きの状況を一覧表で比べたうえで、どちらを選ぶかの考え方をご説明します。

この記事の要点
目次
まず、主な違いを1つの表にまとめます。細かな条件はこのあとの節でご説明します。
| 特養 | 老健 | |
|---|---|---|
| 役割 | 長く暮らす住まい | 家に戻るための リハビリの場 |
| 入れる方 | 原則 要介護3以上 | 要介護1以上 |
| 期間 | 期限なし | おおむね3か月ごとに見直し |
| 医師 | 非常勤のことが多い | 常勤(100人に1人以上) |
| リハビリ | 機能訓練指導員が1人以上 | 専門職が100人に1人以上 |
| 月の費用 | 多床室 約9.6万円 | 多床室 約8.7万円 |
| 医療費 | 別にかかる(医療保険) | 原則として施設の費用に含まれる |
| 申し込み | 施設か市区町村 | 施設に直接 |
| 空き | 待つことが多い | 比較的見つけやすい |
※月の費用は要介護3・自己負担1割・負担限度額認定なし・1単位10円・30日の目安で、加算と日常生活費を含みません※1※2。医師とリハビリの職員は省令の基準です※6※7。
特養と老健は、名前が似ていて、どちらも介護保険の施設です。けれども、何のための施設かがまったく違います。
図1特養と老健は、役割がちがいます
特養(介護老人福祉施設)
老健(介護老人保健施設)
※介護保険法第8条の定めと、国の基準にもとづく整理です※6※7※8。

介護保険法では、老健は「心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要」な方の施設と定められています※8。つまりリハビリをして家に帰ることが目的です。特養は、常に介護が必要で、家で介護を受けることが難しい方が暮らす施設で、生活の場です。
この役割の違いが、入れる方、入れる期間、職員の顔ぶれ、費用の違いにつながっています。それぞれの施設のくわしい説明は、特養とはと老健とはの記事にまとめています。
特養は、原則として要介護3以上の方が対象です。要介護1・2の方も、認知症などで在宅の暮らしが難しい、家族の支援を受けられないといったやむを得ない事情があれば、特例入所として入れることがあります。
老健は、要介護1以上で、病状が落ち着いていて入院しての治療が要らない方が対象です※10。入所の前に、健康診断書や病院からの情報をもとに、施設の医師などが受け入れられるかを判断します。
国の統計で、実際に使っている方の要介護度を見ると、違いがはっきり分かります。
図2実際に使っている方の要介護度(全国)
※介護給付費等実態統計(令和8(2026)年5月審査分)の受給者数から計算した割合です※3。
特養を使っている方の約7割が要介護4・5で、要介護3以上が96%を占めます。老健は要介護1・2の方が約3割いて、比較的介護の軽い方も多く使っていることが分かります。
特養には入所の期限がありません。状態が重くなっても住み続けられ、施設で最期を迎える方も多くおられます。入院が長引いたときは、施設の決まりによって退所になることがあります。
老健は、入所を続けるかをおおむね3か月ごとに見直します。医師・看護職員・リハビリの職員・介護職員が集まり、ご本人の状態と家に戻る準備の進み方を見て話し合います。「3か月で必ず出なければならない」わけではなく、半年、1年と過ごされる方もおられます※7※9。くわしくは老健の「3か月」の仕組みでご説明しています。
ただ、老健はあくまで家に戻るための施設で、家に戻った方の割合が施設の評価にもつながる仕組みです※1。長く住み続ける住まいとしては考えにくいことは、知っておくと安心です。
どちらも入居一時金はなく、毎月の費用は「施設サービス費の1〜3割」「食費」「居住費」の合計です。同じ条件で計算すると、部屋のタイプによって、安いほうが入れ替わります。
| 部屋のタイプ | 特養 | 老健 |
|---|---|---|
| 多床室 | 約95,760円 | 約86,700円 |
| 従来型個室 | 約105,240円 | 約123,030円 |
| ユニット型個室 | 約132,780円 | 約135,720円 |
※1か月の目安。要介護3・自己負担1割・負担限度額認定なし(第4段階)・1単位10円・30日で、加算と日常生活費は含みません。太字が安いほうです。老健は基本型で計算しています※1※2。

多床室では老健のほうが月約9,060円安く、従来型個室では特養のほうが月約17,790円、ユニット型個室でも特養のほうが月約2,940円安くなります。理由は2つあります。
このほかに、次の違いもあります。
特養の部屋のタイプ別・要介護度別の料金表は特養の費用に、老健の料金表は老健の費用にまとめています。新しく建てられた特養はユニット型が中心で、多床室の空きは限られる傾向があります。
職員の数と部屋の広さは、国の省令で最低限の基準が決まっています※6※7。
医療への対応は老健のほうが手厚めですが、どちらも病院ではありません。たんの吸引や胃ろうなどの医療的ケアを受け入れられるか、夜間に看護職員がいるかは、施設ごとに違います。医療が日常的に多く必要な方には、介護医療院という選択肢もあります。
特養は、施設に申し込むのが基本で、市区町村によっては窓口でまとめて受け付けています。入所の順番は申し込んだ順ではなく、要介護度や介護する方の状況などから必要性の高い順に決まります(順番の決まり方)。
老健は、施設に直接申し込みます。相談員との面談、健康診断書や病院からの情報をもとに、施設の会議で入所が決まります。退院が決まっている場合は、病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)が老健との調整を手伝ってくれることも多くあります。
図3定員に対して、入所している方の割合(全国)
※介護サービス施設・事業所調査(2024年10月1日現在)の、1施設あたりの定員と在所者数から計算しました※4。
特養は定員の94%が埋まっていて、要介護3以上で申し込んでいる方が全国で約20.6万人(うち自宅で待っている方が約8.6万人)います(2025年4月1日時点)※5。前回の調査(25.3万人)からは減りましたが、地域によっては今も長く待つことがあります。老健は88%で、特養より空きを見つけやすい施設です。
迷ったときは、「いまの状態」と「これからどこで暮らしたいか」の2つで考えると整理しやすくなります。
図4状態と目的から見る、選び方の目安
退院のあと、もう一度家で暮らしたい
老健。リハビリで体を整え、家の環境や介護サービスの準備をしてから帰れます。
要介護3以上で、長く安心して暮らしたい
特養。期限がなく費用も抑えやすい住まいです。待つことが多いので、申し込みは早めに。
要介護1・2で、家に戻るのが難しい
老健で整えながら、次の住まいを探す。特例入所の相談や、民間の住まいも候補に入れます。
医療が多い・すぐに入りたい・個室がいい
介護医療院や、介護付き有料老人ホームなども比べます。費用と空きの状況が大きく違います。
※目安です。実際には、ご本人の状態、ご家族の事情、地域の空きの状況で変わります。
特養と老健のほかに、どんな施設や住まいがあるかは老人ホーム・高齢者施設の種類一覧で、退院を告げられてから考える場合は退院後の施設の探し方で、順を追ってご説明しています。
実際によくあるのが、退院してまず老健に入り、その間に特養に申し込んで順番を待つ進め方です。
図5老健を経て特養へ移るときの流れ
※老健で過ごせる期間は、ご本人の状態と施設の方針によって違います。

老健は家に戻るための施設なので、特養を待つためだけに長くいることは、施設の方針によっては続けにくいことがあります。入所の面談で、退所したあとの見通しを正直に相談しておくと、その後の話がすれ違いにくくなります。特養の順番を待つ間にできることは待機期間中にできる7つのことにまとめています。
特養を待つ間の住まいも、一緒に考えます
「老健を出たあとの行き先が決まらない」「特養の順番がいつ来るか分からない」——住まいるの相談員は、介護の現場を長く見てきた者ばかりです。特養を待ちながら、費用を抑えて入れる民間の住まいも含めて、ご本人とご家族の事情に合う道を一緒に探します。ご相談は無料です。
実際にご相談いただいた方のお話はお客様の声でご覧いただけます。
特養(特別養護老人ホーム)は、介護が必要な方が長く暮らすための住まいです。老健(介護老人保健施設)は、退院したあとなどに、リハビリをして家での暮らしに戻るための施設です。特養は原則として要介護3以上で入所の期限がなく、老健は要介護1以上で、入所を続けるかどうかをおおむね3か月ごとに見直します。
部屋のタイプで変わります。要介護3・自己負担1割・負担限度額認定なしの目安で、多床室なら老健が月約86,700円、特養が月約95,760円と老健のほうが安く、従来型個室やユニット型個室では特養のほうが安くなります。老健は、入所中の医療費やお薬代が原則として施設の費用に含まれる点も違います。
できます。老健は施設に直接、特養は施設か市区町村の窓口に申し込みます。老健に入所しながら特養の順番を待つ方は少なくありません。特養の申し込みは、待つ期間を考えて早めにしておくと安心です。
できます。老健に入所している間に特養の順番が来れば、そのまま特養へ移れます。老健の相談員が、特養の申し込みの書類や、移るときの日程の調整を手伝ってくれることも多いので、入所の面談のときに特養も考えていることを伝えておくと話が進めやすくなります。
原則は要介護3以上ですが、認知症などで在宅の暮らしが難しい、家族の支援を受けられないといったやむを得ない事情があるときは、「特例入所」として入れることがあります。要介護1・2の方の申し込みは、全国で約1.8万人です(2025年4月時点)。老健は要介護1から入れます。
入所の期限の決まりはありませんが、老健は家に戻るためのリハビリの施設なので、長く住み続けることは前提にしていません。おおむね3か月ごとに、医師やリハビリの職員などが入所を続けるかどうかを話し合います。長く暮らす住まいとしては、特養や有料老人ホームなどを考えることになります。
どちらも入れます。特養では入所している方の多くに認知症があり、老健にも認知症の方のための専門の棟を設けているところがあります。ただ、ほかの方への影響が大きい症状があると、受け入れを相談されることがあります。症状はありのままお伝えいただくと、合う施設を探しやすくなります。
老健のほうが医師と看護職員が手厚く、医療への対応は強めです。ただ、たんの吸引や胃ろうなどを受け入れられるかは、特養も老健も施設ごとに違います。日常的に医療が多く必要な方には、医療と介護を一体で受けられる介護医療院という選択肢もあります。
特養は原則要介護3以上の方が長く暮らす住まい、老健は要介護1以上の方が家に戻るためのリハビリの場です。老健は入所を続けるかをおおむね3か月ごとに見直し、特養には期限がありません。費用は部屋のタイプで逆転し、多床室なら老健、個室なら特養のほうが安くなります。
特養は待つことが多く、老健は比較的空きを見つけやすい施設です。両方に同時に申し込み、老健で暮らしを整えながら特養を待つという進め方もあります。どちらがよいか迷ったときや、待つ間の住まいを考えたいときは、私たち住まいるにもお声がけください。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづく一般的な説明です。入所の条件、入所の判定、費用、医療的ケアの受け入れは、施設や市区町村によって異なります。掲載の費用はあくまで目安です。実際のご検討にあたっては、各施設および市区町村の窓口にご確認ください。
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