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「退院してから、母がほとんどベッドで過ごしている」「父が寝たきりになったら、家で介護できるのだろうか」。そんな不安を抱えるご家族に向けて、この記事では、国の判定基準でいう寝たきりの目安、2025年の統計でみた原因、起きやすいことと歩けなくなったときのリハビリ、在宅で使える介護保険のサービス、寝たきりでも入れる施設と費用を、国の資料をもとにまとめました。

この記事の要点
目次
「寝たきり」には、国の判定基準があります。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)といい、できるかどうかの能力ではなく、ふだんの状態、とくに移動の様子で、4つのランクに分けます※1。このうちランクBとランクCを「寝たきり」と呼びます※1※2。
図1寝たきり度(障害高齢者の日常生活自立度)の4つのランク
ランクJ|生活自立
何らかの障害はあるが、日常生活はほぼ自立していて、ひとりで外出する。
ランクA|準寝たきり
屋内の暮らしはおおむね自分でできるが、介助なしには外出しない。
ランクB|寝たきり
屋内の暮らしに何らかの介助が要り、日中もベッドの上で過ごすことが多いが、座ることはできる。
ランクC|寝たきり
1日中ベッドの上で過ごし、排せつ・食事・着替えに介助が要る。
※厚生労働省「認定調査員テキスト」の判定基準を、やさしい言葉に言い換えました※1。杖や車いすなどの器具を使った状態で判定します。
寝たきり度は、要介護認定の調査や主治医意見書で記入される項目ですが、要介護度(要支援1〜要介護5)とは別の物差しです。要介護度は、介護にかかる手間の目安となる時間(基準時間)で決まり、要介護4は90分以上110分未満、要介護5は110分以上に相当する状態です※3。寝たきりの状態では、食事や排せつ、着替えに介助が要るため、介護の手間が大きくなり、要介護度も重く認定されやすくなります。全国の要介護4の方は約93.1万人、要介護5の方は約58.6万人です(2026年7月末)※5。区分ごとの状態は、要介護4・要介護5の記事でまとめています。
国の2025年の調査で、在宅で暮らす要介護の方に「介護が必要になった主な原因」を聞いた結果は、次のとおりです※4。要介護度が重くなるほど、脳血管疾患(脳卒中)の割合が上がります。
図2介護が必要になった主な原因(上位3つ・2025年)
要介護の方全体
1位 認知症 23.6%
2位 骨折・転倒 14.8%
3位 高齢による衰弱 14.5%
要介護4
1位 認知症 21.6%
2位 脳血管疾患(脳卒中) 15.2%
3位 骨折・転倒 14.8%
要介護5
1位 脳血管疾患(脳卒中) 27.6%
2位 認知症 23.8%
3位 高齢による衰弱 11.5%
※厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」表16によります※4。在宅の方だけの調査で、施設や病院にいる方は入っていません。原因は「主なもの」を1つ選ぶ形で、要介護度ごとの順位は年によって変わります。
病気そのものに加えて、入院中の安静や、動かない暮らしも寝たきりのきっかけになります。体を動かさない状態が続くと、筋肉や関節、心肺の働きが落ちる廃用症候群が起き、さらに動けなくなる悪い循環に入りやすくなります※7。
寝たきりの状態が続くと、次のようなことが起きやすくなります※6※7。
「入院して2週間で歩けなくなった」という場合は、まず主治医や病院の担当者に、どのくらい動いてよいかとリハビリの予定を確かめます。入院中の安静で体の機能が落ちた方は、回復期リハビリテーション病棟(外科手術や肺炎などの治療中の安静によるものは90日まで)や、地域包括ケア病棟(入院から60日まで)でリハビリを続けられることがあります※11。退院後は、要介護認定を受けて、老健や訪問リハビリ、デイケアで続けます。リハビリの場と予防のくわしい話は、廃用症候群とはでまとめています。
寝たきりの方を在宅で介護するときは、介護保険の在宅のサービスを組み合わせます※9。
図3寝たきりの方の在宅介護で使える主なサービス
※介護保険法にもとづくサービスです※9。どれをどのくらい使うかは、ケアマネジャーと相談してケアプランに入れます。
介護ベッド(特殊寝台)や床ずれ防止用具、体位変換器は、介護保険では原則として要介護2以上の方が借りられます。要支援1・2と要介護1の方は原則として対象外ですが、認定調査で寝返りや起き上がりが「できない」とされた場合や、医師の意見とケアマネジャーの判断をもとに市区町村が書面などで認めた場合は、借りられることがあります※8。排せつを自動で処理する装置(尿だけを吸うものを除く)は、原則として要介護4以上です※8。くわしくは福祉用具のレンタルの記事でまとめています。
介護保険で使える1か月の上限は、要介護4で30,938単位、要介護5で36,217単位です※10。上限まで使うと、自己負担1割で月約3.1万円・約3.6万円が目安で(1単位10円の場合)、上限を超えた分は全額が自己負担です。
全国の要介護4・5の方の約4割(要介護4で39%・要介護5で38.8%)は、特養・老健・介護医療院で暮らしています(国の統計から計算した目安)※5。寝たきりの方が入れる主な施設と、費用の目安は次のとおりです。
金額は首都圏の目安で、部屋のタイプや所得によって変わります。施設ごとの費用のくわしい内訳は、老人ホームの費用でまとめています。医療的ケアが多い方の施設の選び方は、医療的ケアが必要でも入れる老人ホームをご覧ください。
寝たきりの介護は、介護する方の負担が大きくなります。国の調査では、同居の主な介護者のうち「ほとんど終日」介護している方が、要介護4で48.5%、要介護5で54.2%でした※4。次のような点を、家族で話し合ってみてください。

在宅で続けるかどうかの見極め方は、在宅介護の限界のサインでもまとめています。
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国の判定基準(障害高齢者の日常生活自立度)では、日中もベッドの上で過ごすことが多く、座ることはできるランクBと、1日中ベッドの上で過ごし、排せつ・食事・着替えに介助が要るランクCを、「寝たきり」と呼んでいます。屋内の暮らしはおおむね自分でできるものの、介助なしには外出しないランクAは「準寝たきり」です。
国の2025年の調査(在宅の方)で、介護が必要になった主な原因は、要介護5の方では脳血管疾患(脳卒中)が27.6%で1番目、要介護の方全体では認知症が23.6%で1番目でした。骨折・転倒や、高齢による衰弱も上位に入っています。入院中の安静で体の機能が落ちる廃用症候群から、寝たきりにつながることもあります。
要介護度は、寝たきりかどうかではなく、介護にかかる手間の目安となる時間(基準時間)で決まります。要介護4は90分以上110分未満、要介護5は110分以上に相当する状態です。寝たきりの状態では、食事や排せつ、着替えに介助が要るため、介護の手間が大きくなり、要介護度も重く認定されやすくなります。認知症の症状や医療的ケアの有無によっても変わります。
できます。訪問介護や訪問看護、訪問入浴、介護ベッドなどの福祉用具を組み合わせ、ショートステイで家族が休む時間をつくります。ただし、国の調査では、同居の主な介護者のうち「ほとんど終日」介護している方が、要介護4で48.5%、要介護5で54.2%でした。続けられるかどうかは、介護する方の体と時間、夜の介護の量も含めて考えます。
まず主治医や病院の担当者に、どのくらい動いてよいかとリハビリの予定を確かめます。入院中の安静で体の機能が落ちた(廃用症候群)場合は、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟でリハビリを続けられることがあります。退院後は、要介護認定を受けて、老健や訪問リハビリ、デイケアで続けます。
介護ベッド(特殊寝台)や床ずれ防止用具、体位変換器は、介護保険では原則として要介護2以上の方が借りられます。要支援や要介護1の方でも、認定調査で寝返りや起き上がりができないとされた場合や、医師の意見とケアマネジャーの判断をもとに市区町村が認めた場合は、借りられることがあります。
特養(原則として要介護3以上)、老健、介護医療院、介護付き有料老人ホームなどがあります。たんの吸引など医療的ケアが多い方は、介護医療院や、看護の体制が手厚い老人ホームが候補になります。住宅型有料老人ホームやサ高住でも、訪問介護や訪問看護を組み合わせて暮らせる場合があります。
首都圏の目安で、特養は月8万〜15万円ほど、老健は月8万〜17万円ほど、介護医療院は月10万〜20万円ほど(自己負担1割で加算などを含めた目安)、介護付き有料老人ホームは月20万円台から100万円を超えるところまであります。公的な施設では、所得に応じて食費と居住費が軽くなる仕組みが使えます。
同じ所に体重がかかり続けないように、体の向きを定期的に変えること、栄養をとること、皮膚を清潔に保つことが基本です。床ずれ防止用のマットなどの福祉用具も、要介護2以上の方は介護保険で借りられます。赤みが引かないなどの変化があれば、早めに訪問看護師や主治医に相談します。
入院中も、病状に合わせて早い時期から体を動かし、退院後も、本人ができることは本人にしてもらって、体を動かす機会を残すことです。体を動かさない状態が続くと廃用症候群が進み、さらに動けなくなる悪い循環が起きます。デイサービスや地域の体操の場も、動く機会になります。
国の判定基準では、日中もベッドの上で過ごすことが多いランクBと、1日中ベッドの上で過ごすランクCを「寝たきり」と呼びます。介護が必要になった主な原因は、要介護度が重いほど脳卒中の割合が上がり、入院中の安静による廃用症候群からつながることもあります。
在宅では、訪問介護・訪問看護・訪問入浴・ショートステイと介護ベッドなどを組み合わせます。介護する方の負担が大きくなったら、特養・老健・介護医療院・介護付き有料老人ホームなどの住まいも並べて、早めに考えてみてください。
この記事の監修者

東急ウェルネス株式会社
老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー
福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。
本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら
出典・参考
※本記事は、2026年11月時点の公的な資料にもとづいて、介護の相談の立場からまとめたものです。施設の費用は首都圏の目安で、部屋のタイプや所得、施設によって異なります。病状や治療、リハビリの内容については、主治医や病院の担当者にご相談ください。
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