COLUMN

介護と住まいのコラム

介護の基礎知識 2026.10.16

介護保険とは|何歳から・使えるサービス・自己負担と申請の流れ

「親に介護が必要になったら、介護保険で何ができるの」「そもそも何歳から使えるの」。介護保険は、40歳から保険料を納めているのに、使うときになって初めてしくみを知る方が多い制度です。この記事では、介護保険のしくみ、何歳から使えるか、使えるサービス、自己負担と上限、申請から利用までの流れ、保険料、2026年の見直しを、図と表でわかりやすくまとめました。

テーブルで介護の相談をする夫婦のイメージ

この記事の要点

  • 介護保険は、介護が必要になったときに、費用の1〜3割の負担で介護サービスを使える公的な保険です。40歳以上の方が保険料を納め、市区町村が運営しています。
  • 65歳以上の方は、介護が必要になった原因を問わず使えます。40〜64歳の方は、国が定める16の病気(特定疾病)が原因のときに使えます。
  • 使うには要介護認定が必要です。法律上は申請から30日以内に結果が出ますが、実際は平均で40日ほどかかっています(2024年度)。
  • 自己負担は9割以上の方が1割です。1か月に使える量の上限(支給限度額)と、自己負担の上限(高額介護サービス費)があります。
  • 2026年は、介護報酬の改定や、マイナンバーカードを介護保険証として使う準備が進みました。2割負担の対象を広げるかは、まだ決まっていません。

介護保険とは|1〜3割の負担で介護サービスを使えるしくみ

笑顔で相談に乗るケアマネジャーと、話を聞く高齢のご夫婦のイメージ

介護保険は、介護が必要になったときに、費用の1〜3割の自己負担で介護サービスを使えるようにする、公的な保険です。2000年4月に始まりました。運営しているのはお住まいの市区町村(一部の地域は広域連合など)で、40歳以上の方が保険料を納めて加入しています※1。

図1介護保険のしくみ

  • 保険料を納める

    40歳以上の方が加入し、保険料を納めます。40歳・65歳になった日から自動的に加入します。

  • 認定を受ける

    介護が必要になったら市区町村に申請し、要介護認定で必要な介護の量を判定してもらいます。

  • サービスを使う

    ケアプランにそって、費用の1〜3割の自己負担でサービスを使います。残りは介護保険から払われます。

※介護保険の費用は、半分が税金(国・都道府県・市区町村)、半分が保険料です。保険料のうち65歳以上の方の分が23%、40〜64歳の方の分が27%です(2024〜2026年度)※1。

介護保険の要介護(要支援)認定を受けている方は、全国で約745万人(2026年7月末)。65歳以上の方のおよそ5人に1人(20.4%)が認定を受けています※2。

誰が入る?何歳から使える?

介護保険に入るのは、40歳以上の方です。65歳以上の方と40〜64歳の方とで、使える条件が違います※1。

図265歳以上の方と40〜64歳の方の違い

65歳以上(第1号被保険者)

  • 介護が必要になった原因を問わず使える
  • 保険料は原則として年金から差し引かれる
  • 介護保険証が、全員に届く

40〜64歳(第2号被保険者)

  • 16の病気(特定疾病)が原因のときに使える
  • 保険料は医療保険の保険料と一緒に納める
  • 介護保険証は、認定を受けたときなどに届く

40〜64歳の方が使える16の病気(特定疾病)

がん(医師が回復の見込みがない状態と判断したもの)/関節リウマチ/筋萎縮性側索硬化症/後縦靱帯骨化症/骨折を伴う骨粗鬆症/初老期における認知症/進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病/脊髄小脳変性症/脊柱管狭窄症/早老症/多系統萎縮症/糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症/脳血管疾患/閉塞性動脈硬化症/慢性閉塞性肺疾患/両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症※3

65歳になると、市区町村から介護保険証(介護保険被保険者証)が届きます。届く時期や使う場面、なくしたときの手続きは、介護保険証とはでご説明しています。

介護保険で使えるサービス

デイサービスで、介護職員と高齢の方がテーブルを囲んで話しているイメージ

介護保険のサービスは、大きく次の7つに分けられます※4。どれを、どのくらい使うかは、ケアマネジャーと相談してケアプランにまとめます。

図3介護保険で使えるサービス

  • 相談・ケアプラン

    ケアマネジャー(要支援の方は地域包括支援センター)がケアプランを作ります。自己負担はありません。

  • 自宅に来てもらう

    訪問介護(ホームヘルパー)、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリなど。

  • 施設に通う

    デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリ)。

  • 短い期間泊まる

    ショートステイ。家族が休むときや、用事があるときにも。

  • 訪問・通い・泊まりを組み合わせる

    小規模多機能型居宅介護など。同じ事業所が柔軟に支えます。

  • 施設などで暮らす

    特別養護老人ホーム、老健、介護医療院、介護付き有料老人ホーム、グループホームなど。

  • 福祉用具・住宅改修

    車いすや介護ベッドのレンタル、手すりの取り付けや段差の解消など。

※要支援1・2の方の訪問介護・通所介護は、市区町村の「総合事業」で使います。

それぞれの費用の目安は、訪問介護・訪問看護・デイサービス・ショートステイ・住宅改修の記事で、施設ごとの違いは老人ホーム・高齢者向け住宅の種類でご説明しています。

なお、介護保険が払うのは介護サービスの費用だけです。老人ホームの家賃や食費、日用品、おむつ代、介護保険の外のサービス(家事代行など)は、全額が自己負担になります。

自己負担はいくら?上限はある?

自己負担は、サービスの費用の1割が基本で、所得の多い方は2割か3割です。2025年3月時点で、2割の方は4.3%、3割の方は3.9%で、9割以上の方が1割です※5。どの割合になるかの基準は、介護保険の負担割合でご説明しています。

1か月に使える量の上限(支給限度額)

自宅で暮らす方が使うサービスには、要介護度ごとに1か月に使える量の上限があります。上限を超えて使った分は、全額が自己負担になります※6。

要介護度1か月の上限1割の自己負担の目安
要支援15,032単位5,032円
要支援210,531単位10,531円
要介護116,765単位16,765円
要介護219,705単位19,705円
要介護327,048単位27,048円
要介護430,938単位30,938円
要介護536,217単位36,217円

※1単位10円で計算した目安です。1単位は地域とサービスによって10〜11.40円です(東京23区の訪問介護は11.40円)※6。この上限は2019年10月から変わっていません。区分ごとの状態の目安は要支援と要介護の違いでご説明しています。

1か月の自己負担の上限(高額介護サービス費)

1か月に払った自己負担が上限を超えると、超えた分が払い戻されます。上限は、一般的な所得の世帯で月44,400円、住民税が非課税の世帯で月24,600円などです。くわしくは高額介護サービス費とはでご説明しています。

施設の食費・居住費

特別養護老人ホームなどの介護保険の施設やショートステイでは、介護の費用の1〜3割のほかに、食費と居住費がかかります。食費の基準は、2026年8月から1日1,545円になりました※7。所得と預貯金が一定以下の方は、申請すると負担限度額認定で下がります。

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介護保険を使うまでの流れ

要介護認定の申請書とペンのイメージ

介護保険のサービスを使うには、まず要介護認定を受けます。流れは次のとおりです※8。

図4申請からサービスを使い始めるまで

  1. 相談する お住まいの地域包括支援センターか、市区町村の介護保険の窓口に相談します。
  2. 要介護認定を申請する 本人か家族が市区町村に申請します。地域包括支援センターやケアマネジャーの事業所などに代わりに申請してもらうこともできます。
  3. 認定調査と主治医の意見書 調査員が自宅などを訪ねて心身の状態を聞き取り、市区町村が主治医に意見書を頼みます。費用はかかりません。
  4. 結果が届く 要支援1・2、要介護1〜5、非該当のどれかが、介護保険証と一緒に届きます。
  5. ケアプランを作る 要介護の方はケアマネジャー、要支援の方は地域包括支援センターと、使うサービスを決めます。
  6. サービスを使い始める サービスの事業所と契約して、利用を始めます。

結果は、法律上は申請から30日以内に出ることになっています。ただ、2024年度の実績では、申請から判定までに平均39.9日かかり、30日以内に済んだのは22.8%でした※8。認定の効力は申請した日にさかのぼるので、急ぐときは結果を待たずにサービスを使い始められる場合があります。申請のくわしい手順は要介護認定の申請方法と流れでご説明しています。

認定には有効期間があります。新規は原則6か月(3〜12か月)、更新は原則12か月(3〜36か月。前回と同じ区分なら最長48か月)で、期間が切れる前に更新の手続きをします※8。

介護保険料はいくら?いつまで払う?

介護保険料は、40歳になった月から、生きている間ずっと払います。老人ホームに入っても、介護サービスを使っていても、払い続けます※9。

65歳以上の方の保険料

65歳以上の方の保険料は、市区町村ごとに3年ごとに決まります。2024〜2026年度の基準額の全国平均は月6,225円です※9。

図565歳以上の方の保険料の基準額(平均・月額)

全国月6,225円

東京都月6,320円

神奈川県月6,340円

埼玉県月5,922円

千葉県月5,885円

※2024〜2026年度(第9期)。基準額の平均で、実際の保険料は所得に応じた段階(国の標準は13段階)で変わります※9。

年金が年額18万円以上の方は、年金から差し引かれます。65歳になってしばらくは納付書で払い、そのあと年金からの天引きに切り替わるのが一般的です※9。

40〜64歳の方の保険料

40〜64歳の方は、加入している医療保険の保険料と一緒に納めます。会社員の方は給与から差し引かれ(協会けんぽの介護保険料率は2026年3月分から1.62%)、国民健康保険の方は世帯主がまとめて納めます※9。

2026年の見直しと、これから

2026年は、介護保険のしくみがいくつか変わりました。決まったことと、まだ決まっていないことを分けて整理します※10。

時期変わったこと・決まったこと
2026年4月介護情報基盤の運用開始。市区町村が使い始めると、マイナンバーカードを介護保険証としても使えるようになります(全国は2028年4月が目標)
2026年6月介護報酬の改定(+2.03%)。介護職員の処遇改善のためで、同じサービスでも自己負担が少し上がりました。ケアプランは無料のままです
2026年6月改正法が公布。2027年4月から、要介護認定の申請を代わりにできる事業所が広がり、夜間対応型訪問介護は定期巡回のサービスにまとまります
2026年8月施設の食費の基準が1日1,545円に(それまで1,445円)
検討中2割負担の対象を広げるかは、まだ決まっていません。政府は2026年度中に結論を出す方針です
検討中要介護1・2の方の生活援助を市区町村の事業に移すかどうかも、決まっていません

※2026年10月時点。ケアプランの自己負担は、在宅の方は今も無料です。1割の負担が決まったのは、都道府県に登録した有料老人ホームの入居者向けの新しい相談支援だけです(遅くとも2029年6月までに始まります)※10。

家族が知っておきたい6つのこと

図6介護保険を使うときに、家族が知っておきたいこと

  • 認定を受けても、使わなくてよい 必要なときにすぐ使えるように、早めに認定を受けておく方もいます。有効期間が切れる前に更新します。
  • 上限を超えた分は、全額が自己負担 使い方はケアマネジャーと相談して、上限の中に収まるように組み立てます。
  • 家賃・食費・おむつ代は対象外 老人ホームの費用は、介護保険の分と、それ以外の分に分けて考えます。
  • 介護保険証と負担割合証は一緒に サービスを使うときは2枚を一緒に見せます。置き場所を家族で共有しておくと安心です。
  • 施設に住所を移しても、元の市区町村のまま 特養や有料老人ホームなどに入って住所を移しても、元の市区町村の介護保険が続きます(住所地特例。グループホームは対象外)※11。
  • 困ったら地域包括支援センターへ 介護保険の申請から、介護の悩みまで、無料で相談できます。

介護が始まったばかりで何から手をつければよいか迷うときは、親の介護が突然始まったらもあわせてご覧ください。

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よくあるご質問

介護保険とは、簡単にいうと何ですか

介護が必要になったときに、費用の1〜3割の自己負担で介護サービスを使えるようにする、公的な保険のしくみです。40歳以上の方が保険料を納めて加入し、市区町村が運営しています。

介護保険は何歳から使えますか

65歳以上の方は、介護が必要になった原因を問わず、要介護認定を受ければ使えます。40〜64歳の方は、末期のがんや脳血管疾患など、国が定める16の病気(特定疾病)が原因で介護が必要になった場合に使えます。

介護保険料は何歳から何歳まで払いますか

40歳になった月から払い始め、生きている間はずっと払います。65歳以上の方は、原則として年金から差し引かれます。老人ホームに入っても、介護サービスを使っていても、払い続けます。

介護保険でどんなサービスが使えますか

自宅に来てもらう訪問介護・訪問看護、通って受けるデイサービス、泊まって受けるショートステイ、福祉用具のレンタルや住宅改修、特別養護老人ホームなどの施設への入所などがあります。どのサービスをどれだけ使うかは、ケアマネジャーと相談してケアプランにまとめます。

介護保険の自己負担はいくらですか

サービスの費用の1割が基本で、所得の多い方は2割か3割です。1か月に使える量には要介護度ごとの上限(支給限度額)があり、上限を超えた分は全額が自己負担になります。自己負担には、所得に応じた1か月の上限(高額介護サービス費)もあります。

介護保険を使うには、何から始めればいいですか

お住まいの市区町村の窓口か地域包括支援センターで、要介護認定を申請します。結果は原則として申請から30日以内に届き、要介護度に応じて、ケアマネジャーがケアプランを作ってからサービスを使い始めます。

介護保険と医療保険の違いは何ですか

医療保険は病気やけがの治療のための保険で、介護保険は日常生活の介護や支援のための保険です。介護保険のサービスを使うには、要介護認定を受ける必要があります。訪問看護のように、病気や状態によってどちらの保険を使うかが分かれるサービスもあります。

老人ホームに入っても介護保険は使えますか

使えます。特別養護老人ホームなどの介護保険の施設や、介護付き有料老人ホームでは、施設の介護の費用に介護保険が使われます。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、外部の訪問介護などを介護保険で使います。家賃や食費は、介護保険の対象外です。

介護保険証はいつ届きますか

65歳になる月に、お住まいの市区町村から届きます。40〜64歳の方は、要介護認定を申請したときなどに交付されます。届く時期や、なくしたときの手続きは、介護保険証の記事でご説明しています。

要介護認定を受けたら、必ずサービスを使わないといけませんか

使わなくても問題ありません。認定は、必要になったときにすぐ使えるようにしておくためのものでもあります。認定には有効期間があるので、期間が切れる前に更新の手続きをします。

まとめ

介護保険は、40歳以上の方が保険料を納めて加入し、介護が必要になったときに、費用の1〜3割の負担で介護サービスを使える公的な保険です。65歳以上の方は原因を問わず、40〜64歳の方は16の特定疾病が原因のときに使えます。使うには要介護認定を受け、ケアマネジャーと相談してケアプランを作ります。

自己負担は9割以上の方が1割で、1か月に使える量の上限と、自己負担の上限があります。家賃や食費は介護保険の対象外なので、老人ホームを考えるときは、介護保険の分とそれ以外の分を分けて比べると分かりやすくなります。2割負担の対象を広げるかは、2026年度中に結論が出る見込みです。

この記事の監修者

相談員 K.C

東急ウェルネス株式会社

老人ホーム紹介サービス「住まいる」 マネージャー

  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • 介護福祉士
  • 社会福祉主事
  • 児童福祉司
  • ホームヘルパー2級

福祉の現場に25年。特別養護老人ホームや有料老人ホームで介護職、生活相談員、ケアマネジャーを務めたのち、施設長、エリアマネージャーとして施設運営に携わってきました。2019年に東急ウェルネスへ入社。現在は老人ホーム紹介サービス「住まいる」のマネージャーとして、ご本人とご家族それぞれのお気持ちをうかがいながら、地域の医療・介護・福祉機関と連携し、納得のいく住まい選びをお手伝いしています。

本記事は、上記監修者が内容を確認したうえで公開しています。相談員のご紹介はこちら

出典・参考

※本記事の内容は、2026年10月時点の情報にもとづいています。保険料や手続きは市区町村によって異なります。くわしくはお住まいの市区町村の窓口か、地域包括支援センターにご確認ください。

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